2019年2月1日より全国公開
東宝
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前情報を入れずに観るようにしているので、野村萬斎が演じる八角という人物が、最初どういう立場の人間かがわからない点で、余計にストーリーに引き込まれました。なので皆さんにもあまり情報を入れずに観て欲しいです。前半は個々のキャラクターに焦点が当てられていくので、誰かしら感情移入できるキャラクターが見つかるはず。後半はスケールがすごく大きくなっていくのでエンタテインメントとして見応えがあります。企業の規模を問わず、尋常でないノルマを課せられて不健全な状況で働いている人は世の中に大勢いると思いますし、大きな力に逆らえずに納得がいかないまま仕事を引き受けるという経験は誰にでもあると思うので、社員にも経営者にとっても他人事ではない話が描かれています。クライマックスの巨大企業のトップとの会議のシーンは、エンタテインメントとして演出されている部分があるとは思いますが、大企業に勤めたことがないので、こういうシチュエーションが実際にもあるのかどうか、ぜひ実際に大企業にお勤めの方に聞いてみたくなりました。こんな殿様的な体質がまだ続いている企業があるとしたらゾッとします。 最後に爽快感はありますが、ラストの八角のセリフは、個人個人の自覚を促す内容なので、心が引き締まります。また名優達の共演も見どころで、特に野村萬斎と香川照之が演じるキャラクターが1対1でお互いを激しく責めるシーンはすごい迫力です。ぜひそういった点にも注目して観てください。 |
健全な会社で働いていれば、少し距離を置いて観られると思いますが、似たような状況で悩んでいる人が観ると、複雑な心境になるシーンは多々あると思います。最後はスッキリする部分はありつつ、現実性は保たれていて、不自然なハッピーエンドにしていない分、結末をどう感じるかは意見が分かれそうです。自分が務める組織の思考で頭が固まっていると、冷静で健全な判断ができなくなることもありそうなので、相手が仕事で大変そうなら、話すきっかけになるかも知れないので、誘ってみてはどうでしょうか。 |
大人向けの内容なので、近い将来のこととして身近な感覚で観られるとしたら、高校生以上かなと思います。絶対的な権力者がいるような部活などに入っていれば、多少”組織”特有の感覚は身近に思えるところがあるかも知れません。また、大学生のサークルなどで何かのノルマなどがあるような状況なら余計に共感できそう。こんな事態に陥られないように、社会に出る前に観ておくと多少参考になると思います。 |
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© 2019映画「七つの会議」製作委員会
2019.1.23 TEXT by Myson