2019年1月25日より全国順次公開/R-15+
アスミック・エース
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ヒトラー、ヒムラーに次ぐ、ナチス第三の男として、ユダヤ人大量虐殺を首謀し、金髪の野獣と言われ恐れられていたラインハルト・ハイドリヒ。ヒトラーが何度も暗殺未遂にあった史実は、さまざまなエピソードが映画化されているのでよく知られていると思いますが、ナチス政権の高官暗殺計画で成功した唯一の例が、このラインハルト・ハイドリヒです。なので本作の後半はハイドリヒを暗殺したチェコスロバキアのレジスタンスグループのメンバーの物語になっており、ラインハルト・ハイドリヒだけに焦点を当てて深掘りしているストーリーではないのですが、彼がナチスの高官になる前のスキャンダルや、彼にナチスのイデオロギーを吹き込んだ妻との関係、ヒムラーと初対面した時の会話などから、ハイドリヒの人間性が垣間見られます。淡々とユダヤ人大量虐殺について会議を行っている様子は、まるでサラリーマンが営業成績向上について話しているかのように平然と行われていてゾッとさせられたり、全体的に不気味さが漂う作品で、そういう点でもハイドリヒの持っていた空気が投影されているように感じられます。ただ、彼が持っていた人間性だけが彼をこうさせたのではないようにも思えて、私達にも身近なストーリーではないかと思います。 |
彼の性格を表すかのような濡れ場が何度か出てきたり、大量に人が殺されたりと、デートに不向きな内容が多いです。夫婦関係についても描かれていますが、共感するのは難しいでしょう。歴史に興味があるカップルなら、一緒に観ても良いと思いますが、それ以外のカップルはわざわざデートでこれを選ばなくても、1人で観るか、友達を誘うかで良いと思います。 |
R-15なので15歳未満の人は観られませんが、ナチスドイツについては歴史でも出てくるので、興味を持つきっかけとして本作を観るのはアリだと思います。教科書ではラインハルト・ハイドリヒまで登場しないかも知れませんが、ナチス政権でいろいろな残虐なことが行われていたのは、ヒトラーだけの力ではなく、こういった部下達がいたからこそだったというのも、知っておいて欲しいところです。 |
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2019.2.20 TEXT by Myson