2013年2月9日より全国公開/PG-12
東宝
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ヘビーな内容なので、観た後はグッタリしましたが、見応えがありとてもおもしろかったです。ストーリーがおもしろいのはもちろんですが、役者陣、音楽、演出も良かったし、「何をもって正義というのか」「どんな犯罪者も更正できる可能性があるのか」というテーマにすごく考えさせられました。 キング・クリムゾンの主題歌『21世紀のスキッツォイド・マン』が作品の世界観の骨組みを見事に作っていたと思いますが、この映画を観てから数日間、この主題歌がずっと頭のなかを廻ってました(笑)。そして、なんと言っても素晴らしかったのがキャストですね。ほぼ無言で無表情で超人的頭脳と肉体を持った脳男を演じた生田斗真は、クランクイン直前までの半年間に、フィリピノカリやUSA修斗、ジークンドーの稽古と筋力トレーニングを行い、同時にささみや野菜中心の食生活を送ることで、無駄な脂肪を落としたそうです。劇中ではその成果を示す見事な身体とアクションを披露してますので、ぜひ注目してください。演技においても、彼の顔立ちや雰囲気が脳男のキャラクターに合っていたのはもちろん、監督からの「瞬きをしないで」という要望に応え、目で語る演技をしています。 今回は脇役も個性的でしたが、なかでも二階堂ふみが演じている緑川紀子はとても不気味で怖く印象に残りました。すごくクレイジーな悪役ですが、二階堂ふみの見事な演技に圧巻です。『ヒミズ』でヴェネツィア国際映画祭最優秀新人賞を受賞した彼女は、若手ながらすでに実力派女優として活躍中ですが、本作を観るとその実力がわかります。今後もっともっとすごい女優さんになっていきそうで期待大です。 とにかく、最初から怖いシーンで始まり、最後まで気を抜けませんが、観終わったあとは充実感が味わえますので、ぜひ観てください。 |
冒頭から残酷なシーンは出てきますが、露骨には映りません。ただ自分で想像してしまい「やめて!」と思うシーンも多々ありますので、それを耐えられるかどうかを基準に観るかどうか決めてください。そういうのでも大丈夫ということなら、デートで観るのも良いと思います。いろいろな点でよくできた映画だし、とても見応えがあるので、鑑賞後の会話もはずむと思いますよ。怖いなと思ったら、彼にしがみついちゃったり、どさくさまぎれに接近するのもありでしょう。 |
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2013.2.8 TEXT by Myson