2014年4月18日より全国公開
アスミック・エース
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ピュリッツァー賞、トニー賞W受賞の傑作舞台をジョージ・クルーニー率いるアカデミー賞受賞の『アルゴ』製作チームが映画化した本作。この情報だけでも間違いないなと思える作品ですが、期待を裏切らない内容でした。物語もさることながら、一番印象的だったのはメリル・ストリープとジュリア・ロバーツの演技。2人の演技バトルと言っても過言ではない母娘の口論シーンは本当に迫力がありました。既にアカデミー賞受賞歴を持つ2人は今回初共演で、本作で2人ともアカデミー賞にノミネートされています。そして、他にもユアン・マクレガー、ベネディクト・カンバーバッチ、クリス・クーパー、ジュリエット・ルイス、アビゲイル・ブレスリンなど魅力的なキャストが多数出演。父の失踪がきっかけで母のもとに集まった三姉妹と、親戚たちが過ごす夏の数日間をこれほど情緒豊かに描いているところに、キャストやスタッフの力量を感じます。 本作は、親子愛ゆえにお互いに心配し過ぎたり束縛したり、自分の考えを押しつけたり、誰もが身近に感じる話題です。私は2人姉妹の妹ですが、ジュリア・ロバーツが演じる長女バーバラとメリル・ストリープが演じる母とバイオレットのぶつかりあいは、あれほど激しくはないにしても自分の家族に通じる部分もあってとても身近に感じました。そして、母は強しと言えども弱い部分ももちろんあって、年をとるにつれどんどんと気持ちも弱り孤独感に苛まれていく様子は観ていて切なくなりました。本作の母バイオレットのキャラクターについて共感できるかどうかは別として、本作を観ると母を大事にしなければと思います。 |
かなり女性目線寄りな作品なので、敢えてデート向きとは言えませんが、豪華なキャストと物語は見応えがありますので、映画好きのパートナーなら喜んで一緒に観てくれるでしょう。血は繋がっているとはいえ、家庭のなかに女性がこれだけいるといろいろあってもおかしくありません。同じような家族構成の方は、敢えてパートナーに一緒に観てもらい感想を聞いてみると、自分の家族を客観視できそうです。 |
キッズも理解はできると思いますが、おもしろみを感じるかどうかが微妙です。キャストの演技に迫力があり、物語も生々しいほどに家族のギスギスした部分が描かれているとも言えるので(映画としては良い意味ですが)、口論の多い家庭のキッズは割り切って観られないかも知れません。ティーンは、いろいろなキャストの立場で観てみると良いですよ。家族関係って大人になるとどうしてか複雑になっていきます。それでも家族って素敵だということも描かれていますので、その辺りを感じ取ってもらえると嬉しいです。 |
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2014.2.24 TEXT by Myson