2017年10月27日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト
本作を観る直前に、1982年版のディレクターズ・カット(以下、前作)をおさらいしました。以前観たのは随分前だったのでかなり内容を忘れてしまっていましたが、とても驚いたのは、2019年を舞台にしていたということ。今(2017年現在)から2年後の未来を、35年前にこんな風に想像していたと思うと、改めてその想像力と表現力の凄さを実感します。で、今作は前作から30年後の世界、2049年を舞台にしているわけですが、描かれる近未来はもっと進化しています。ちょっとやそっとレプリカントが進化しているだけでは、皆さん驚かないと思いますが、今作でのレプリカントの進化は“神の域”に踏み込んでいます。それが何かはネタバレになるので伏せておきますが、ここまで進化すると、本当に人間とレプリカントの境界線が曖昧になってしまいます。「何を持って、人間と言うのだろう?」と考えさせられる本作は、哲学視点で観るのが好きな人にはピッタリ。そして、1作目の監督リドリー・スコット(今作では製作総指揮)からメガホンを引き継いだドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、新たに生み出した世界観は、大きなスクリーンでこそ映える美しさと壮大さで、目の前に広がる世界に呑み込まれるような感覚を味わえます。 前作に引き続き、ハリソン・フォードがデッカード役で出演したのも感慨深いですが、この難役をこなしたライアン・ゴズリングの演技にも感動。一見男性向けの作品に思えますが、広く観て欲しい作品です。 |
SF色が前面に出ていますが、実はラブストーリーでもある本作。ある意味“許されざる恋”を描いていて、その切なさにキュンとすることでしょう。男女共に楽しめる内容なので、デートにもオススメ。前作を観ていたほうがより理解が深まるので、一緒にDVD等でおさらいしてから、本作を観ると良いでしょう。 |
テーマが大人向けであり、163分という上映時間の長さなので、キッズには不向きだと思います。ただ、小学校高学年くらいなら、理解できる人もいると思います。近未来の世界を覗いてみるという感覚だけでもそれなりに楽しめるかも知れませんが、“人間の定義”を考えさせられるテーマにフォーカスすると、より有意義な鑑賞体験になると思います。ぜひ、誰かと一緒に観て、鑑賞後に感想、意見を語り合ってください。 |
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2017.10.17 TEXT by Myson