2014年9月20日より全国公開/PG-12
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主演のハル・ベリーが製作も務め、10年かけて映画化権を獲得した本作。ハル・ベリー自身が黒人と白人の親のもと生まれたということもあり、特別な思いがあったようです。資料によるとハル・ベリーは「解離性同一性障害に苦しむ1人の女性の実話を初めて知ったとき、この話はとても深いところで私の心を揺さぶったの。人種が入り混じった家庭に生まれた子どもとして、私は自分を重ね合わせ、このキャラクターに共感したわ」と語っています。本作の主人公フランキーは、まだ解離性同一性障害について詳しく解明されていない70年代アメリカに実在した人物。黒人ストリッパーのフランキーの心に生まれた別人格の1人は人種差別主義者の白人で、なぜ彼女のなかにこの“アリス”が生まれたかを解明し治療していく物語です。 で、まず驚くべきは1966年生まれのハル・ベリーの若さと美しさです。ストリッパーという役柄なのでスタイルは良くなくてはいけないのですが、抜群のプロポーションを披露しているだけでなく、顔もすごく若いのにビックリです。そして、何と言ってもオスカー女優ですから演技力にも感動。多重人格を見事に演じていますが、彼女はいつも役作りのためにキャラクターについての日記を付けるそうですが、本作では3種の人格が登場するので3人分書いていたとのことです。さすがですね!さらに本作で注目して欲しい俳優は医師のオズを演じたステラン・スカルスガルド。フランキーの妹を演じたマキシンは、『グレイズ・アナトミー』のミランダ・ベイリーでお馴染みのチャンドラ・ウィルソンです。派手な映画ではありませんが、この演技派たちの共演と、衝撃の実話であることだけで充分見応えがあります。なぜフランキーがこういう病を抱えることになったのかは、人種差別だけでなく女子としての心情が深く関わってくるので、女子にぜひ観て欲しい1作です。 |
気まずいシーンなどはないですが、少々内容が重いので、デートで観るタイプの映画ではありません。できればじっくりと一人で観るか女子同士で観て欲しい作品です。ただ、ハル・ベリーの渾身の1作であり、演技派ステラン・スカルスガルドも出ているので、ストーリーだけでなく、俳優や映画製作の背景などにも興味がある映画好きカップルにはお薦めです。自分たちが世の中に何も言われずに交際できることを幸せに感じながら観てください。 |
人種差別問題と、解離性同一性障害というテーマがキッズには難しいと思うので、理解できるようになってから観る方が良いでしょう。ティーンは理解できる内容だと思うので、ストーリーはもちろん社会的背景などにも興味を持って観てみてください。人種差別や解離性同一性障害という問題に日常で身近に触れることはないですが、傷付いた人が抱える苦悩は万国共通のものです。人の心はどうして壊れてしまうのかなども考えてみてください。 |
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2014.7.30 TEXT by Myson