2015年2月7日より全国公開
ポニーキャニオン
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ラブストーリーなのかと思って観始めたら、意外にそっち寄りではなく、はたまたサクセスストーリーなのかと思いきや、そんな単純なものでもなく、とてもウィットに富んだストーリーだった点に共感を覚えました。ミュージシャンとして成功を夢見る彼氏と共に、自らもシンガー・ソングライターとして都会についてきた主人公のグレタ。彼が成功するにつれ、二人がすれ違っていくというところまでは想像が付くのですが、ここから先が本作のおもしろいところ。グレタがどういう行動に出るのか、どんな決断をするのか、とても勇敢でブレない彼女の強さが気持ち良いのです。そして、マーク・ラファロが演じる音楽プロデューサーとの関わりの描写も、不器用ながら自分なりのポリシーを曲げずに好きなことのために一生懸命に生きている人たちの人間像を多面的に表現していて、見事でした。夢をどんな風に実現したいかは人それぞれ。そんなことを感じさせてくれる秀作です。キーラ・ナイトレイの歌声もとてもかわいいので、必聴ですよ。ジョン・カーニー監督の『ONCE ダブリンの街角で』も歌が印象的な作品なのでこれを機におさらいしつつ、本作を観るのもオススメです。 |
彼氏の夢のために一緒に都会についてきたという主人公グレタと同じような状況のカップルは、登場人物たちの感情にとても近い感覚になる可能性があり、割り切って鑑賞するのは難しいでしょう。またこれまでそんなことは平気だと気にしていなかったのに、これを機に急に不安に思ってしまうかも知れません。映画のストーリーがハッピーエンドかそうでないかは解釈する人の価値観によるものですが、今目をつむっていることに気付いてしまって、今のままではいられなくなる人もいるでしょう。とにかく自分に正直に生きる姿が描かれているので、1人で観るか、女友達と観る方が良いです。 |
大人になった方がより共感できる内容ではありますが、ティーンなら充分理解できます。でも、まだ恋愛体質が強い若い世代にとっては、さまざまなシーンで別の展開を望むかも知れません。でも、そこでなぜ登場人物たちがそういう選択をしていくのかを考えると、人間の価値観はいろいろあるということがわかります。夢の叶え方も、他人のものさしでなく、自分が好きなようにやれば良いということを感じてくれたら、皆さんの未来の可能性ももっと広がるはずです。 |
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2015.1.26 TEXT by Myson