2012年5月16日リリース
レンタル同時(左記ジャケットはセル用です/¥4,935税込)
ポニーキャニオン
公式サイト
アートが大好きなハーブと、彼と結婚し彼の趣味を一緒に楽しむ妻ドロシーの日常をとらえたドキュメンタリー。夫は郵便局員、妻は図書館司書として働いたお金で買えるアートをコレクションし、保管場所は自分たちの1LDKのアパート。ごくごく普通の生活をしている2人ですが、彼らのアートへの愛と情熱はとてもピュアで、余計な批評をするでもなく、ただ自分たちが心から「好き」「綺麗」と思えるものを選んで集めています。本来はアート・ディーラーを介して買うことが多い中、この夫婦は直接アーティストに会い、ほかの人が見向きもしない作品などに感動したり、誰かの価値観に左右されず自分たちの目と感覚で気に入ったものを評価します。小さくて可愛い老夫婦なのですが、こういう姿勢がとてもかっこいいなと思いました。彼らが手に入れた作品のなかには、のちに大物になったアーティストのものもあり、アート界でプロのコレクターとしても生きていく道もあったようですが、そうせずに普通の生活をしながら、好きなアートに囲まれて生きている2人。よくあるサクセス・ストーリーでは、途中で夫婦が大物コレクターになっていくという流れになるのだと思いますが、そうではなく今のままの自分たちで居続けるというスタイルで成功しているという新たな価値観を打ち出すドキュメンタリーでした。好きという純粋な気持ちは、どんな形であれ、やっぱり幸せをもたらすんですね。何かに打ち込むことにハードルを感じる人は多いと思いますが、今の自分と変わらないままで打ち込むこともできるという彼らのスタイルは、生き方の1つの選択肢を提案してくれているようで、この映画を観た人が何か好きなことを見つけて、それに夢中になってみるきっかけになると良いなと思います。 |
関連記事:■映画業界で働く女性『ハーブ&ドロシー』佐々木芽生監督インタビュー
©2008 Fine Line Media, Inc. All Rights Reserved.
2012.5.13 TEXT by Myson