2014年8月22日より全国公開
キノフィルムズ
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監督がガス・ヴァン・サント、主演、脚本をマット・デイモンが担当ということで、『グッド・ウィル・ハンティング』の再タッグが実現した本作。今回マット・デイモンは製作も兼ねており、本当は監督も務める予定でしたがスケジュールの調整がつかず、信頼するガス・ヴァン・サントに直接監督を依頼したとのことです。物語の軸は、マット・デイモン演じる主人公スティーヴが、新たなエネルギーとして世界から注目される“シェール・ガス”の埋蔵地へ行き、不況にあえぐ農場主たちに交渉し掘削権を得ていくというもの。やり手のスティーヴは一見農場主にもメリットがあるように交渉していくのですが、彼が務める大企業からしてみれば破格の安値。それを嗅ぎ付けて欲を出す者も出てくるのですが、スティーヴは強気で抑えていきます。そして、掘削地の拡大のために大企業らしい力業も及ぶのですが、スティーヴすら知らない裏工作が仕掛けられ、彼は会社の人間として対処するに徹底するか、1人の人間として問題に向き合うかの選択を迫られます。限られた職業で成り立っている土地で将来性を感じられずに地元を出て出世したスティーヴのハングリー精神もわからなくもないし、土地やそこでの生き方を愛する人たちの思いも当然だし、答えは本当に見つかるのか最後まで油断を許さない展開です。 マット・デイモンは無名時代に主演、脚本を担当した『グッド・ウィル・ハンティング』で、アカデミー賞®脚本賞受賞など2部門での受賞と7部門でのノミネーションという快挙を成しましたが、本作でも主演としてだけでなく脚本家としての手腕も証明しています。そして共同脚本のジョン・クラシンスキーも主人公スティーヴの交渉を阻むキャラクターとして登場していますのでご注目ください。働く者として考えさせられる部分が大いにある本作。仕事に迷いがある方にぜひ観て欲しい一作です。 |
恋愛的な展開は多少ありますが、映像的に気まずいシーンはありません。そういう部分よりも、会社や仕事について深く悩んでいる相手と行く場合に、観た後のムードがどうなるか分かれるところです。爽やかで清々しい部分もある作品なので重くはないですが、観る人の状況によって、自分の今の仕事についていろいろと考えさせられる点がある内容です。これを観てスッキリして前に進める人と、自分に自信がなくてもっと真剣に悩んでしまうタイプと出てくるかも知れません。ですのでその辺の状況を踏まえて、誘う相手を選びましょう。 |
キッズには少し難しく感じるかも知れません。観ても問題はないですが、大人になって働くようになってから観た方が楽しめるでしょう。中学生以上になると、働くことについて考え始めると思うので、こういうことがあるのだという疑似体験をしてみても良いと思います。本作を観て、仕事をするということはただ働いて稼げばいいということではないと少しでも感じてくれたら嬉しいです。 |
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2014.7.30 TEXT by Myson