まずホアキン・フェニックスの風貌のインパクトがスゴイですが、至ってクールでハードな作風です。主人公ジョーは元軍人で、行方不明者の捜索を請け負うスペシャリストとして働いていますが、殺しも日常茶飯事。暮らしぶりはとても質素で、彼は生き甲斐もなく、欲もなく、ただただ日が過ぎていくのをやり過ごしているように見えます。それは何故なのかというのは映画で観て頂くとして、ある少女を助けたことで彼の人生が動き出します。“ビューティフル・デイ”というタイトルからは全く想像できないムードの作品ですが、クライマックスでなるほどという展開が出てきます。彼のどんよりした日々がどっぷり描かれているからこそ、ラストが光り輝いて見えるんですよね。辛い経験がある人が、自分を守るために人との関わりを絶とうとするのは当然ですが、希望をくれる人間関係もあるのではと、一筋の光を届けてくれるストーリーです。 |
バイオレンスシーンも結構あるし、重い空気が終始漂うストーリーなので、デート向きとは言えません。でも男性が好みそうなタイトルなので、いつも女子の意見で観る作品を決めていて、たまには彼向きな作品を観ようと思うのなら、観てみても良いのではないでしょうか。ただ、ロマンチックなムードにしてくれるシーンは期待しないように。 |
PG-12だし、内容的にもかなり大人向けなので、大人になってから観たら良いと思います。虐待も一つのテーマになっているので、複雑な心境になるかも知れません。淡々と出来事が描かれていくので、地味と言えば、地味です。映画を観慣れてきて、派手な映画ばかりでなく、繊細に描かれた人間ドラマも観てみたいという人はトライしてみてください。 |