2016年1月22日より全国順次公開
ギャガ、プラス
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本作は、目覚める度に、男、女、老人、子ども、外国人と、別人の外見に変化してしまう病気を患った主人公のラブストーリー。設定がすごくユニークな点で期待を持ちつつも、ストーリーは成立するのかという懸念もありましたが、うまく構成されていて、とてもおもしろかったです。123人1役という前代未聞のキャスティングには、その1人に日本から上野樹里も選ばれ、その他、韓国の人気俳優達も代わる代わる登場し、次はどんな人に変わるのだろうという楽しさがありました。前半はそんな感じで、観ている方も、新しい姿の主人公のストーリーを楽しむのですが、後半は彼と恋に落ちる女性ホン・イスの苦悩にフォーカスされた展開に変わっていきます。ファンタジーの要素と、ドラマの要素がうまく混ざり合っている作品でしたが、現実の世界に置きかえることができるリアリティがあり、後半は特に、目覚める度に姿が変わる主人公が象徴するものは何なのかと考えながら観ました。日々外見が変わるという極端な形で表現されていましたが、私たちの日常に置きかえてみても、相手が何かをきっかけに変わってしまうということはあり得ることです。その頻度が違うだけで、そういう相手の変化についていけるのか、合わせてあげられるのか、相手の変化に合わせていて自分を見失うことはないのか、そういったことを見せてくれるストーリーなのではと私は解釈しました。相手の内面を本当に理解して愛することができるのか、まさにタイトル通りのテーマだと思いますが、韓国の良質なラブストーリーをまた見つけたという感じです。「人は外見じゃない」という方は、ぜひ本作を観て自分の本心を覗いてみてください。 |
ナルシストな人や、外見重視な人と付き合っている方は、本作を観て価値観に影響が出るのか試してみて欲しいところですが、内心で自分達の価値観の違いに既に気が付いていながら目をつむっている人は、一緒に観てそのギャップを実感してお別れすることになるか、相手がちょっと価値観を変えてくれてギャップが縮まるか、いちかばちか試してみるのはいかがでしょうか?平和に付き合っているカップルは、ロマンチックなムードを味わえて感動もある映画なので、文句ナシにデートにオススメです。 |
ラブストーリーですが、子どもが観て問題になるようなラブシーンは無いので、観ても良いと思います。多少、大人の下ネタが出てきますが、小学校高学年くらいなら何となく意味はわかるし、笑えるシーンなのでセーフでしょう。主人公の容姿が目覚める度に変わるという設定がややこしいと思うかも知れませんが、シンプルなストーリーなのでついていけます。「人の内面を重視する」「(外見に関わらず)心の美しさを持つ」というポイントをよく観て感じ取って欲しいと思います。 |
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2016.1.12 TEXT by Myson