2015年4月10日より全国公開/PG-12
20世紀フォックス映画
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アカデミー賞®作品賞、監督賞ほか多くの映画賞を受賞し、ワンカットで撮影したように見えるカメラワークなども話題の本作は、強いエネルギーを発していて、多面的なおもしろさを持つ作品です。視点やスタンスによって、おもしろいと思うポイントが変わってくると思いますが、難しい映画と思ってしまえばそう見えるし、所詮エンターテイメントだと割り切れば軽いノリで観られます。何が正解というのではなく、観る人の解釈それぞれで楽しめば良いのではないでしょうか。私の場合はまず冒頭シーンで「何?何?どういうこと?」となり、その良い意味でとても怪しくてインチキ臭い(笑)シーンのおかげですぐこの物語に興味が湧きました。でもそのシーンで現実離れした物語なのかと思わせておきながら、同時にマイケル・キートンが演じる主人公リーガンのしょぼくれた身体のブリーフ姿としみったれた楽屋の雰囲気が、スクリーンから不快な匂いが漂ってくるようなリアルさを演出している点で作り手の技を感じました。また、エドワード・ノートンが演じるマイクの崩れ具合も絶妙。天才と変人が紙一重というキャラクターを見事に演じています。ほか今回は真面目な役を演じているザック・カリフィナーキスや、薬物中毒の娘役を演じたエマ・ストーンなど、普段馴染みのある役柄とは違うタイプのキャラクターを演じているのも見どころです。 |
デートムービーという雰囲気ではないですが、2人とも興味があれば一緒に観るのも良いでしょう。解釈の差が出ても、観る人によってそういう違いが出ること自体を楽しんで欲しいと思います。ただ、明確な答えがない映画に不満なタイプの人には向きません。そういう人はお互いの解釈の違いを語って楽しむ以前に「映画の意味がわからなかった」と片付けてしまう可能性があるので、同じ感覚で楽しめる人と観ると良いでしょう。 |
キッズにはちょっとビックリするシーンもあったり、心情的な部分でまだピンとこないと思うので、大人になってから観る方がより楽しめると思います。高校生くらいなら、こういう大人の悶々とした感情も想像できるだろうし、エマ・ストーンが演じる娘の視点で観ても何かしら感情移入できる点があるのではないでしょうか。頭を柔らかくして観て欲しい作品なので、ティーンの感覚ではどう見えるのか大人としては気になるところです。鑑賞したら、ぜひ同世代だけでなく、大人とも意見交換してみてください。 |
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2015.3.23 TEXT by Myson