毎度、ピクサー映画のなかの擬人化描写には驚かされますが、今回もお見事でした。魚らしさは残したまま、魚にはできそうもないことを成し遂げるシーンが盛りだくさんで、限界を知らない豊かな想像力の世界を存分に楽しむことができました。そして、魚といえば、さかなクンですが、今回監修で参加しているようで、その辺りも抜かりがないですね。
そして、ドリーが家族を捜す冒険物語だけに終わらず、今回もちゃんと友情が描かれている点で、1作で2粒美味しいストーリーになっています。
そんな一見楽しい映画ですが、個人的に気になった点がありました。『ファインディング・ニモ』ではドリーは準主役だったのでそこまで意識していませんでしたが、今回は忘れん坊のドリーが主役ということで、“忘れんぼう”という特徴がフォーカスされています。『ファインディング・ニモ』では、お気楽な忘れん坊程度にしか見ていませんでしたが、今作ではドリーの両親の心配も深く、これを人間の世界に置きかえて考えると、ハンディキャップを抱えたキャラクターの物語にも見えました。根底にはそういう応援の気持ちも込められているんでしょうかね。そういう点でいうと、ニモにも共通点があるように思えます。私の考え過ぎかも知れませんが、とにかく大人視点でも観甲斐がある作品です。
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ピクサー映画は大人でも楽しめるので、どんなカップルのデートでもオーケー。観に行く時間帯によっては、ファミリー客が多い劇場もあるかも知れませんが、子ども達は素直で大きなリアクションをする場合が多いので、周囲の笑い声に和まされたり、自分達も便乗して笑って劇場内の一体感を味わうのも良いと思います。緊張気味になる初デートでも、リラックスして観られるのでオススメです。 |
キッズやティーンの皆さんにオススメの作品です。さかなクンが監修に参加しているので、お魚が好きな人は図鑑を観る気持ちで楽しむのも良いでしょう。水族館も出てくるので、まさに水族館に行っている気持ちで楽しめますが、お魚たちから人間はどう見えているのかが想像できる点もおもしろいですよ。友情、家族愛、冒険などいろいろな要素があり、観る人によって見どころが違うと思いますが、友達や家族と観に行って、感想を言い合うとお互いの価値観を知ることができるかも。 |