本作は、川崎フーフ(清水浩司)の闘病ドキュメント「がんフーフー日記」をベースに、亡くなった妻が幽霊として蘇るというフィクション要素が加えられ、映画化されました。物語は、17年間友達だった男女が結婚して子どもを授かるも、奥さんをガンで失うというお話で、一見悲しいお話に思えますが、実はコメディとして作られています。
特に奥さんが幽霊として登場する設定が、本作のコメディ要素の重要な役割を担っていて、ガンという大病をポジティブな視点から爽やかに描いていました。とはいえ、決して病気を軽んじているわけではなく、闘病生活の苦しい部分や奥さんが亡くなった後に息子と生きていく旦那さんの姿もバランス良く見せていたのが上手いなと思いました。原作者の清水浩司さんにインタビューさせて頂いたのですが、自分たち夫婦の話が映画化されたことについて「コメディとして描いてくれたことが嬉しいです。きっと本作を観る方のガンに対する考え方が変わるんじゃないでしょうか」とおっしゃっていました。
ガンという重いテーマと夫婦の笑えるやり取りを、97分という上映時間のなかでテンポ良く描いた作品です。ガンはとても大変な病気ではありますが、本作の夫婦のような関係で闘病生活を送れたらすごく素敵だと思います。ぜひご覧ください!
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ガンというテーマが登場しますが、コメディとして描かれているのでデートで観ても重い空気にはなりません。本作の夫婦は、17年間の友人関係を経て結婚するので、現在友達以上恋人未満の相手がいる方はきっと勇気をもらえるはずです。あとは、結婚に踏み切れない相手と一緒に観るのも効果的かも知れません(笑)。夫婦のやり取りの部分でも参考になるところがあるので、どんなカップルでもきっと心に響くところがあると思います。ぜひ本作の夫婦を参考に自分たちの関係について考えてみてください。 |
キッズもティーンも観られますが、ガンという病気を知らないキッズは、観る前に大人にどんな病気なのか聞いてみてください。コメディなので楽しく観てもOKですが、ティーンはもう少し深いところまで観察しましょう。病気を抱えるお母さんが息子を持つ気持ちや、妻を亡くして息子を一人で育てるお父さんの大変さを通して、自分が今までどんな人たちに支えられて成長したのか考えてみてください。普段は照れくさくても、これを機にちょっと素直になって周囲の人たちへ感謝の気持ちを伝えてみるのも良いと思いますよ。 |