2017年6月3日より全国公開
東映
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正直なところ、華道、茶道はあまり馴染みがなく、それほど興味を持っていなかったのですが、実話をもとにした本作を観てすごく共感し、興味を持ちました。兵力や武器で戦うのではなく、芸術で人の心に訴えかけて平和的な解決をするという方法が実に見事で、だからこそ華道、茶道は現世にも受け継がれてきたんだなと、これが日本の伝統であることに誇りを感じました。本作の主人公は野村萬斎が演じる池坊専好ですが、佐藤浩市が演じる千利休のストーリーもとても重要です。この2人の芸術家が同じ時代に生きていた事も歴史に大きく影響していたのだと思うと、さらにドラマチックに思えます。また本作は華道家のお話ですが、現代で手に職を持って働く人達皆に通じるテーマが描かれています。そして、権力に屈しざるを得ない状況で、自分のポリシーを貫き、依頼主に満足してもらえるようにするというシチュエーションは、現代のどんな仕事にも当てはまります。特に制作や企画をする仕事をしていると、ただ言われた通りにやるのではなく、自分らしさを捨てない方法で人を喜ばせるにはどうしたら良いか、誰もが悩まされるところだと思いますが、そういったシチュエーションで池坊専好ならどうするか、千利休ならどうするかを観ると、自身を客観視するきっかけにもなりました。高い年齢層をターゲットにした作品に見えるかも知れませんが、若い方にもぜひ観て欲しい1作です。 |
恋愛ストーリーはありませんが、どんな人にも共感できる内容が描かれているので、男女共に楽しめるし、恋人未満友達以上のカップルや、初デートでも観やすい作品です。どんな職種でも、打ち込める仕事をしている人は特に没入できるストーリーなので、鑑賞後はお互いの仕事について話すのも良いでしょう。仕事に対する姿勢は、プライベートにも関わってきます。交際、結婚する上でも重要な部分なので、これを機に仕事観を話してみてはどうでしょうか。 |
本作は子どもでもわかりやすいストーリーで、織田信長、豊臣秀吉などの時代を描いている事もあり馴染み深い分、すんなりストーリーに入っていけると思います。歴史の勉強が苦手でも、映画を通じて史実を知ると、興味が増すこともありますよね。また、力でねじ伏せるのではなく、芸術によって人の心に訴えかける方法で平和的に問題解決をした主人公、池坊専好のやり方は、良いお手本の一例として観て欲しいと思います。 |
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2017.5.31 TEXT by Myson