2016年11月26日より全国順次公開
松竹
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LGBTという言葉が浸透し始めたと感じるようになった今日この頃ですが、まだまだ性的マイノリティの問題は課題を残しているのだなと本作を観て改めて感じました。LGBTの方々にとってはカミングアウトするのも一つのハードルで、その後もいくつものハードル、壁が待ち受けているんですね。この物語は実話をもとにしたストーリーで、女性警察官のローレル・ヘスターと、その恋人の女性ステイシー・リー・アンドレの愛と自由をかけた闘いを記録したドキュメンタリー“フリーヘルド”を、ロン・ナイスワーナーが脚本化したもの。1999年に2人が出会うところから物語はスタートし、2006年あたりまでを描いていますが、そんなに遠い昔ではない時代のお話ということで、同性愛についての社会的理解がまだまだ遅れている事を実感しました。最近では日本でも結婚にこだわらないカップルや結婚を望まない人が増えているように思いますが、結婚が認められない上にパートナーを守る権利まで奪われそうになった2人を観ていると、権利を与えられている人はその価値をわからず、権利を求める人には与えられないという皮肉な状況がとても心苦しく思えます。 |
異性愛者、同性愛者問わず、自分の死後に遺される愛する人のために闘う主人公の物語は胸に響くと思います。結婚するかしないかを選べる立場の人は、この選択肢があることがいかに有り難いことなのかを実感すると思います。結婚するかしないかはもちろん個々の自由ですが、自分が亡き後も守ってあげたいとお互いに思っているなら、きちんと自分達の将来を考えるきっかけにすると良いでしょう。 |
根本的に理解しておかないといけない事柄があるので、キッズにはまだ難しい話題だと思います。中学生くらいになれば、LGBTについても少しずつ知ると思うので、その実態の一つとして観ると良いのではないでしょうか。異性を好きか、同性を好きかは、自分でコントロールできることではないし、多数決でもありません。少数派の同性愛者についても理解を深めるために、フラットな気持ちで観て欲しいです。 |
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2016.11.22 TEXT by Myson