2017年5月26日より全国公開
ファントム・フィルム
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母と子の物語であり、父と子の物語であり、夫婦の物語であり、それぞれがお互いに深い愛を持つが故に起きてしまった悲劇を描いています。罪は罪でも、悪意のある罪ではない部分が、関わる人々を余計に苦しめるのですが、いずれにしても、本当の母心というものは、子を持ってみないとわからない境地のように思えました。夫婦の関係は、子どもという存在ができることで大きく変わりますが、そのなかでできてしまう優先順位みたいなものも生々しく描かれていて、家族を作り、守ることは想像以上に難しいと実感させられました。観る人の視点によって、いろいろな観方、感じ方ができる多様性のある本作。女性にとって共感ポイントが多いのはもちろん、男性の意見も聞いてみたくなりました。 |
何でも話し合える夫婦なら、一緒に観ると語り甲斐のあるテーマだと思いますが、正直なところ夫婦関係のかなりディープなところまで掘り下げてくる内容なので、軽々しく選択すると観た後に気まずくなる可能性もあります。一方で、夫婦の深い愛も伝わってくる内容ではあるので、比較的ポジティブな解釈ができる人同士なら、一緒に観ても良いかも知れません。 |
子どもが重要な鍵となっているストーリーなので、もし自分が主人公達の子どもだったらとイメージして観ると感情移入できる部分はあると思いますが、基本的に大人向けの作品なので、大きくなってから観たら良いと思います。中高生くらいなら充分に理解できる内容だと思うので、自分が親の立場だったらどうするか、子どもだったらどうして欲しいか考えながら観ると良いのではないでしょうか。いずれにしても、親の愛情は思った以上に深いこと、子どもが親を愛することで親が救われる部分が大きいことがわかると思います。 |
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2017.2.27 TEXT by Myson