2013年12月20日より全国順次公開
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「この人、どうしようもないな〜」と思ってしまう人がたくさん登場する映画です(笑)。「恋愛云々の前に人間的にしっかりしろ!」と説教を垂れたくなる人たちが男女関係のごちゃごちゃに振り回されている様子を観るともどかしい部分もありますが、一方でおそらく世の中の多くの人がこういう状態に陥っているとも思えました。主人公ホアとパリで彼女が出会う青年マチューの関係の始まり方がそもそも危なっかしくて、その様子を冷静に鑑賞する者としては「ほら、言わんこっちゃない!」と言いたくなるのですが、人って寂しいときはこうなっちゃうんですかね。個人的には終始「それは愛じゃないんじゃないの?」と思って観ていたし、お互いに心の欠けている部分を埋めたいだけだったようにしか思いませんでしたが、そういう錯覚と愛の境界線は正直誰にもわからないことなんだよな〜としみじみ思いました。また、本作では肉体関係が男女の関係を計るバロメーターのように描かれているのですが、この映画のキャッチコピー「どんなにセックスを重ねても、愛には届かない」は、とても的を射ているという印象です。これがどういう意味なのかはぜひ観て考えてみてください。 |
濡れ場が多いので、そういうシーンを一緒に観るのは気恥ずかしいというカップルはやめておいた方が良いかも知れません。ただ、その濡れ場のエロさで男女の関係性の変化が見えてくるというのは、この作品の興味深いところ。男女がベッドで絡んでいるのに無味なシーンは、観たまま男女のあいだに“何も起こっていない”ことを表しているようにも思えるので、そういう点を自分たちに置きかえて客観視の意味で楽しむオープンなカップルは一緒に観てみると良いでしょう。 |
ベッドシーンが多く、内容的にもかなり大人向きなので、キッズは大人になってから観ましょう。ティーンにも積極的にオススメするというわけではないですが、肉体関係が男女関係にどう影響を及ぼすのかということ、男子にとって女子にとっての貞操観念についてなど、これから大人になって恋愛で注意すべきことも描かれているので参考にすると良いでしょう。「本当に好きな人がいたら、こんなことはしない」「私だったらこうする」というように、良くないお手本として観るのもありです。 |
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2013.12.18 TEXT by Myson