2014年3月8日より全国公開/R-15
KADOKAWA
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『先生を流産させる会』の内藤瑛亮が監督、原作は『リアル鬼ごっこ』山田悠介のベストセラーと聞いただけで、激しい映画だろうなとは思っていましたが、予想以上に映像的に残酷なシーンが多かったです。私は怖い映画でも観慣れている方だと思いますが、それでも思わず2,3シーンは目を手で覆ってしまいました。特に始めの方に出てくる教室での先生と生徒のシーンは女子にはきつく、妊婦さんは絶対に観ない方が良いと思います。さらに音がかなり生々しいので目を覆ったところで結局どんなシーンか想像してしまい、85分という短い上映時間ながらかなり疲れました。でも、キャラクターの心情やこの世界にある“人間たちの歪みの深刻さ”を伝えるにはこれくらいの演出でないと伝わらないのかも知れません。そして主人公の湯浅茂央を演じた野村周平の鬼気迫る演技が素晴らしかった。絶望感、やりばのない怒り、グレーはなくて黒という価値観、“自分の世界”のなかの解決策…理解不能に見えて、理解不能とは言い切れない若者たちの心情を投げつけられたような感覚でした。興味のある方は覚悟して観てみてください。 |
ストーリーもビジュアルもかなりきつい内容なので、デートには適していません。2人とも原作者の本が好き、こういうジャンルが好きというのであれば良いですが、あまり何も考えずに誘ってしまうと、苦手な人にとってはかなり辛い85分になると思います。なので一人で観に行くか、こういうタイプの映画が大丈夫そうな友だちと観に行きましょう。 |
R-15なので中学生以下は観られません。高校生は主人公たちと同じ世代なので感情移入しやすいか、とても距離を感じるかのどちらかでしょう。何が善で悪なのか難題を投げかける作品です。映画の過激さばかりに注目するのではなく、人は人生が崩れるほどの苦痛や屈辱を他人に与えられたときどうなってしまうのか客観視して、人の痛みを感じ、考えるきっかけになれば良いと思います。 |
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2014.3.4 TEXT by Myson