2014年11月1日より全国公開
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
公式サイト
タイトルだけでイメージすると、ヘレン・ミレンが演じるマダム・マロリーは料理家か何かで、彼女が美味しいソースでも作って周囲を癒す話なのかなと思ってしまいますが、どちらかというと主人公はハッサンというインドの青年で、彼の成長の大きな鍵を握っている人物がマダム・マロリーという感じです。開業の土地を探して世界中を旅していたインド人一家が、南フランスにインド・レストランを開くことを決意するも、それはマダム・マロリーが経営するミシュラン1つ星フレンチ・レストランの目の前で、そこから一波乱も二波乱も起きていくという物語。ラッセ・ハルストレム監督作ということで、てっきりマダム・マロリーは優しいマダムなのかと思っていましたが、そこは良い意味で期待を裏切られ、シャルロット・ルボンが演じているマルグリットもそうですが、一人一人のキャラクター性に彩りがあり、短絡的に「こういうキャラだろう」という想像とは異なる反応を見せてくれる展開が良かったです。ミシュランの星の数がキーワードとして出てきますが、そういう価値観で評価される世界にいながらも、一方で人の幸せの形は誰かの基準で決められるものではないことも描いています。若干、ご都合主義的な展開もありましたが、この映画で語りたいテーマを示すにはこれで良いのかも知れません。半分ファンタジーのような感覚で観ると良いのではないでしょうか。あとはインド人のパワーや家族の絆の強さは学ぶべきモノがあると思いました。とにかく、ラッセ・ハルストレム監督作特有の温かさや優しさは間違いなく感じられる映画です。 |
デートで観るのも良いと思いますが、カップルで同業者だったり、同じ職場でライバルの場合は、自分たちに置きかえて観てしまい、デートという雰囲気ではなく仕事モードな気持ちになってしまうかも知れません。そういう関係にない人は気楽に楽しんで、映画に出てくるおいしい料理に感化され、次のデートで美味しいレストランに行く計画を立ててはどうでしょうか。ラブストーリーの要素は微妙にありますが、気まずくなるシーンはありません。仕事で成功したい男女が恋愛上の立場と仕事上の立場で心が揺れ動く様子が描かれているので、仕事と恋愛の両立がうまくいかない悩みを抱えるカップルは、観終わってからその点を意見交換してみるのもアリです。 |
大人にならないとわからない心情も多少描かれていますが、小学校高学年以上ならキッズでもそれなりに理解できると思います。ハッサンというインドの青年が、料理で成功していくまでの様子は、勇気を与えてくれるし、小さい頃から好きなことを見つけて、それを極めることはステキなことだと教えてくれます。ハッサンのお父さんの逆境に負けないというか、逆境かどうかすら気にせずに我が道をいく姿も見習うべき点があります。家族の大切さも描かれているので、家族みんなで観るのもオススメです。 |
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2014.10.14 TEXT by Myson