2017年5月13日より全国公開
ビターズ・エンド
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主人公は何があって今の孤独な人生を送っているのか、物語が展開するにつれ徐々に明かされていくのですが、これは彼が少しずつ、自分の人生と家族を取り戻していく物語です。何気ない幸せな毎日を送っていて、急に大切なものが失われてしまい、そのことに自分が責任を感じて身動きが取れなくなってしまう…。彼の人生はそこでストップしていましたが、兄が亡くなった事で、故郷へ戻ることになり、自分の過去と向き合わざるを得なくなります。ネタバレになるのでこれ以上内容には触れないでおきますが、愛があっても、自信を失ってしまった主人公が、再び愛の力で何とか起き上がろうとする姿を、ケイシー・アフレックが見事に演じています。綺麗事ではない、生の人間が描かれているストーリー。無責任に人の命、人生を預かるのとは違う彼の反応に、逆に愛の重さを感じました。主人公の重くどんよりしたムードが漂いつつ、セリフはウィットに富んでいて、会話劇としてはクスッと笑えるシーンも多々あります。大きな罪を犯したと自分を責める人生を送っている人へ、自分を許して幸せになる勇気と、エールをくれる作品です。 |
エッチなシーンはありませんが、カップルの状況によっては、気まずくなるシチュエーションが描かれています。また、楽しい気分になるタイプの映画ではないので、気楽な雰囲気で過ごしたいデートでは不向きです。じっくり映画を観たい時のデートで、語り甲斐のある相手と観ましょう。 |
キッズにはまだピンとこない内容だと思います。高校生くらいなら、主人公の甥の目線で楽しむなどもありでしょう。誰が悪いわけでなくても、大きな責任と罪悪感を抱えてしまう出来事に遭遇したら、立ち直るのは至難の業。でも、それでも何とか生きる意味を見つけていかなければいけない人生の厳しさと希望を、同時に教えてくれる映画です。 |
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2017.4.24 TEXT by Myson