2014年12月20日より全国公開
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デヴィッド・クローネンバーグ監督作ということで、やっぱりわかりやすいストーリーではありませんでしたが、『マップ・トゥ・ザ・スターズ』というタイトルにいろいろな意味がかけられていたり、今作も想像力を掻き立てられながら楽しみました。登場人物が多数いて、最初はどんな話でこの人たちが繋がるのか想像できませんでしたが、だんだんと彼らの共通点が見えてきて、その真相はやっぱりセンセーショナルなものでした。物語の核は“家族”“血縁”で、その呪縛から逃れられない人たちの姿が描かれています。明るく輝く星もあれば、冷たく輝く星もあり、その星のもとに生まれた運命は幸か不幸かわからないという皮肉がおもしろいです。 クローネンバーグ監督が描くこの世界は、地球に見えて実はどこか宇宙の別の場所なのではないかという不思議な雰囲気を醸し出していて、この世で自分の居場所がわからなくなっているキャラクターたちはどこか浮世離れし、もはやこの世界では“生きていない”という空気が漂います。そういった意味でも、『マップ・トゥ・ザ・スターズ』というタイトルの持つ背景にまた想像が膨らんできますが、あらゆる解釈を自分なりに楽しむ人にオススメの映画です。 |
正直なところ、好みは分かれると思うし、わかりやすい映画とは言えないので、普段映画を観慣れていないカップルにはあまりオススメしません。デヴィッド・クローネンバーグ監督を知っていて、ある程度作風をわかった上で2人とも観たいならオーケーでしょう。多少性的描写が出てきますが、ネックになるほどではありません。抽象的な表現をどう解釈するか考えるのが好きな人、哲学が好きな人同士のカップルは観た後にお互いの説を話し合うのにおもしろい題材となる映画ではあります。 |
いろいろな映画を観ている大学生くらいなら自分なりにおもしろさを見つけて楽しめそうですが、キッズはもちろん、普段わかりやすいストーリーの映画、メッセージがはっきり表現されている映画しか観たことがないティーンには、少々難しいかも知れません。またキッズや中学生あたりには少々過激なテーマも含まれているので、もう少し大人になってから観ることをオススメします。 |
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2014.12.1 TEXT by Myson