TOP > 映画批評TOP > 映画批評マ行 > HERE

マッキー

2013年10月26日より全国公開
アンプラグド
公式サイト　予告編　　

「インド人もビックリ」ではなく、「インド人にビックリ」と言いたくなる斬新なストーリー。ハエが人間に復讐するなんて、どういうことかと思いますが、観てみるとよくできた設定です。もちろんハエありきで組み立てたストーリーだからそういうキャラクター設定にしたとも思えますが、思ったほど違和感なくこの世界観に浸れました。これまで観たインド映画は唐突に歌い出したり、ストーリーに関係のない衣装に変わって踊り出したりするものが多かったし、上映時間も3時間くらいは当たり前でしたが、この作品は歌いはしますが、服装や背景が変わることなく進行し上映時間も125分という普通の長さなので、良い意味でインド映画らしくなく、観やすいインド映画という印象です。男性キャラクターが暑苦しいほど濃いですが、主人公の女子がとてもかわいくて日本人ウケも良いと思います。
ハエの攻撃のわりには結構激しいので期待以上に見応えありですよ。それにしてもよくこんなことを考えつくなと感心しますが、自由な発想で作っていて楽しいです。インド映画を観ず嫌いの方にもぜひ観て欲しい一作です。

デートで観ても楽しい映画です。きわどいシーンはないので心配無用。ただ一点、しつこくされて仕方なく行くデートの場合は要注意。映画の展開のなかで、そういう男子に希望を与えてしまう部分があります。全く気がなく、勘違いされたくない場合は一緒に行かない方が良いでしょう。相思相愛のカップルは大丈夫。よくよく考えたらロマンチックですが、所詮ハエなので本作を観てロマンチックになることは期待せず気楽に楽しんでください。あとハエですが不潔なシーンは意外に無いので、鑑賞後にご飯に行く流れでも問題ありません。

ハエの奇想天外なお話はキッズでも楽しめますが、ところどころ意外に痛そうなシーンがあります。小学校高学年以上なら大丈夫だと思いますが、小さなお子さんにとっては、普段自分が接するハエがとても怖くなるかも知れません。ティーンは難しいことを考えず、この世界観のように普通で考えたらあり得ないしバカらしいことでも、自由なイマジネーションが面白いことに繋がることを知り、自分がやりたいことが人に変わっていると言われてもやってみようという気持ちになってくれたら嬉しいです。

関連記事：
■【トーキョー男子映画部】特集：正しい“女子の口説き方”Vol.1

2013.10.21　TEXT by Myson