可愛らしいポスタービジュアルからは想像できない、意外なストーリーでとても見応えがありました。精神的に問題を抱えた母と、母を強く愛し何としてでも自分が面倒を見ようという逞しい少女マチルドの話。母親らしい母親になりたいけれどなれないもどかしさと、娘のためにどうすることがベストなのかと考え葛藤する母親の姿に心が痛むと同時に、「お母さんと一緒にいたい」という子どものピュアな気持ちがさらに心に刺さります。必然的にマチルドは“大人”にならざるを得ないのですが、時に子どもらしく振る舞う姿も描かれていて、子どもの複雑な心境がとても見事に表現されています。ストーリー自体は思った以上に重いのですが、ファンタジックな演出がある分、観やすいと感じるはず。そのファンタジックな側面は、マチルドの心のよりどころとなっているので、観る側の私達もマチルドの子どもなりの苦難の克服の仕方を体感できます。親が子を思う気持ちだけでなく、子どもが親を思う愛の強さを実感できる1作。母目線、娘目線、どちらでも共感できますよ。 |
母と娘のストーリーがメインなので、ロマンチックな展開はあまりありませんが、こういう男女の関係もあるのかなと思わせるシーンはいくつかあります。マチルドの両親は離婚していますが、父は母や娘のことを支え続けていて、夫婦の過去に何があったかははっきり描かれていないものの、愛を感じます。とはいえカップルで観るよりはじっくり1人で観るか、友達と観るほうが良いのではないでしょうか。 |
きっとキッズやティーンの皆さんは大人と違った感覚で楽しむのではないかと思います。マチルドに共感する部分も人それぞれ違いそうです。鳥が大活躍をする場面もあり、ファンタジックな要素は純粋に楽しいと思えるでしょう。親子で観るのもアリ、友達と観るのもアリです。マチルドの服装もとても可愛いので、女子は要チェックです。 |