クリスチャン・ベール、スティーブ・カレル、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピットという超豪華キャスティングで、このクレイジーな実話の映画化は観ないわけにはいかないですよね。4人それぞれに灰汁の強いキャラクターを演じていて、それだけでも観た甲斐がありますが、期待通りの作品で、金融業界を破綻させたカラクリは正直頭が混乱しつつも、ドラマチックでときにコミカルな本作はとても見応えがありました。経済が破綻することを予見した人間たちのドラマを描いていますが、彼らが人間的な悪というのではない点も興味深いところで、むしろ、庶民を混乱の渦に巻き込み、自分たちだけが甘い汁を吸っていた権化の諸悪をぎゃふんと言わせたヒーローのように感じる部分も爽快感に繋がっています。同時に最終的に冨を得た人たちも決して皆幸せそうではないというのも切なくて、お金は儲かったけど後味が悪いという部分に、逆に共感を覚えます。
金融商品のカラクリや社会経済の状況を伝えるシーンでは、唐突にいろんなスターが登場して、少々観客をからかうような解説が行われますが、これはこの混乱がそれほど”意味不明”なカラクリが原因で招かれたものであることを皮肉っていると思われます。なので無理に理解しようとしなくても、映画自体は楽しめますが、観終わったあとは、「ちゃんと自分で理解していないとまずい」と感じると思うので、危機感を覚えた方はぜひ経済や金融について少しずつでも勉強することをオススメします。
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全部を理解しようとするとちんぷんかんぷんに感じて、観終わった後も2人でキョトンとするだけかも知れませんが、そこまで複雑に考えなくても、「日本でも何が起きるかわからない」「自分達もお金について勉強しよう」と思って、2人で一緒に勉強するきっかけになれば有意義だと思います。もし、片方がこういう話題に明るいなら、観終わった後に解説してあげると良いでしょう。でも、こういう話題は理解力に大きな個人差があるので、相手の理解度に合わせて解説しないと、ただの蘊蓄野郎になってしまうのでご注意を。 |
キッズには難しいので、大人になってから観ると良いでしょう。ティーンにとっても難しい部分はあるかも知れませんが、数字に強い人なら理解できるし、逆にこういう金融的なカラクリがおもしろいと感じるのではないでしょうか。もし完全に理解できなくても、お金の勉強はしておいた方が良いと感じてくれたら嬉しいです。学校ではお金の勉強はしてくれませんが、ぜひ10代のうちから学んで欲しいと思います。 |