2014年5月30日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
ツイート
中田秀夫監督の作品というだけあり、ホラーでなくてもエグいシーンはちゃんとエグい描かれ方をしています(笑)。目を伏せたくなる程の場面はありませんでしたが、衝撃的な冒頭シーンから一気にこの映画のダークな雰囲気に引き込まれました。 人間を思い通りに操れる“男”役を藤原竜也、その“男”が唯一操れない終一(しゅういち)役を山田孝之が演じています。藤原竜也が演じた“男”については敢えて名前が伏せられています。名前がわからないというだけでこの人物が何者なのかという謎が余計に深まり、“男”が背負う過去がわかり始めると、悪い奴なのにちょっと同情したくなるような複雑な気持ちにさせられたのがおもしろいなと思いました。一方、終一も驚異的な回復能力を持っているという設定なので、この2人のアイデンティティを問う話にもなっていて、観ている側に対しても人間が人間として生きることについて問いかけられているように思えました。でもそんな真剣な空気が漂うなかで、終一の友人にオカマの子がいて笑わせてくれる場面もあり、終始緊張が緩和される部分もあって良かったです。 人間を操れる“男”と戦うという絶対的に不利な状況のなかで、終一が導いていく結論にはきっと驚かされますよ。ぜひハラハラしながら楽しんで観てください。 |
ちょっとだけグロいなと思うシーンもありますが、ホラーではないので女子でも観られるレベルだと思います。中田監督の作品が好きなカップルはもちろんですが、学生のカップルや付き合いたてのカップルには特に向いた作品でしょう。ジェットコースター感覚でハラハラドキドキしながら観て、恋愛のドキドキに変えるというのも一つの手かも知れませんよ(笑)。とはいえ、物語的には人間の本質を問う話でもあるのでいろいろと考えながら観て、観終わったら2人で真剣に語るのもアリです。 |
罪のない人たちがどんどん死んでいくなど、やや残酷なシーンがあるので、キッズは中学生以上になってから観ることをオススメします。ティーンは単純にストーリーを追って楽しんでも良いのですが、“男”が背負う悲しい過去や宿命について考えながら観ましょう。明らかに“男”は悪者なのですが、どうして彼がそうなってしまったのかという過程に注目すると、ちょっと“男”の別の一面も観えてきますよ。 それとイイ男を目指したい男子は、終一の周りの人たちへの気遣いや勇気、責任感がすごくカッコ良いのでぜひ参考にしてください(笑)。 |
関連記事:
■TJE Selection イイ男セレクション/山田孝之
■ジャパンプレミア、藤原竜也、山田孝之、石原さとみ、松重豊、木村多江、中田秀夫監督
©2014「MONSTERZ」FILM PARTNERS
2014.5.14 TEXT by Shamy