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ミスター・ガラス

2019年1月18日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト

”ヒーローとは何ぞや”というテーマで描かれていますが、「そうきましたか！」というラストで、とてもユニークな概念が述べられています。最後まで観るとヒーロー云々というよりも、根本は人間の信じる力について述べている内容という印象で、世の中に科学で証明できないものはあるのかないのかという議論、つまり超常現象はあるのかないのかについての一つの考え方を示すストーリーになっています。細かいところの辻褄を考えると、ご都合主義的な点があるのは否めませんが、本作を気に入るかどうかは、この主義主張に賛同できるかどうかにかかっているような気がします。私は個人的にこういう考え方が嫌いじゃないので、とてもおもしろいと感じましたが、いろいろな方の感想を聞いてみたくなる作品です。
そして、『アンブレイカブル』『スプリット』とどう繋がっていくのかという部分では、「そこで繋げちゃうのかい！」という仕掛けがあり、強引と感じるか、上手いと感じるかは意見が分かれそうです（笑）。キャラクターはメイン3名それぞれに濃いので興味をそそりますが、ジェームズ・マカヴォイが演じる24の人格はやっぱり見事でした。今回は肉体的にもかなり作り込んでいるという印象で圧倒されます。M・ナイト・シャマラン監督作は毎度物議を醸しますが、なんだかんだで気になって観ちゃう人も多いのではないでしょうか？私もその一人で、彼の作品はコケたのも含めて結構好きなので、今回も存分に楽しめました。ぜひご自身の目で観ておもしろいかどうか確かめてください。

カップルで観て気まずいシーンはないのですが、骨をバキバキ折られるシーンなど痛々しい場面はいくつかあるので、アクション映画を観慣れていない方は少しハードに感じるかも知れません。好みが分かれるタイプの作品だと思うので、初デートでは避けたほうが良いでしょう。『アンブレイカブル』『スプリット』の流れを組んでいるので、デートで観るなら、一緒に前作を復習してから観ることをオススメします。

精神世界の話とも言えるので、キッズにはちょっと理解しづらい部分があるかも知れませんが、漫画のヒーローに憧れて影響を受けるという設定は、皆さんの世代にも共感できるポイントなので、映画が好きな人なら観てみても良いと思います。ヒーローなんて妄想に過ぎないという仮説がどういう結末を迎えるのか。ある意味、人の価値観を問うストーリーでもあるので、友達と観て語り合うネタにはもってこいです。