2016年3月26日より全国公開/R-15
アークエンタテインメント
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原作は読んだことがないので、タイトルのイメージだけでしたが、静かな映画なのかと思いきや、かなり激しい内容で見応えがありました。学生運動が活発だった1969年から物語がスタートして、政治的な話題が軸になるのかと思いきや、ラブストーリーが中心だった点も良い意味で裏切られた感があり楽しめました。主人公の女子高校生、響子(成海璃子)が恋をして、いろいろな困難にぶつかるのですが、彼女の困難だけではなく、渉(池松壮亮)、祐之介(斎藤工)の苦難も深く掘り下げられていき、ワクワクして過ごしているはずの青春時代に、知らないところでこんな思いで生きている若者たちもいるんだなと思うと、すごく切なくなりました。ネタバレになるので具体的には言及しませんが、渉の「愛がなくては、革命なんか起こせない 」というセリフには、とても深い意味があり、それは最後まで観ると合点がいきます。自分が女子高生のときにこんな恋をしちゃったら、もうどんな恋も軽すぎて物足りないだろうな〜なんて浸りながら観ましたが、女子にもいろんな意味で観て欲しい一作です。 |
激しい濡れ場も出てくる点で、付き合いが浅いカップルやウブな人は、少々気まずくなる可能性はあります。また、深い愛を描いてはいますが、特に男性は人によってこういう内容を好まない可能性があります。1人でじっくり観るか、女性同士で観に行くのが良いと思います。 |
R-15なので15歳未満は観られません。高校生にも少々刺激が強いかも知れませんが、文学作品の映画化作品として純粋に、同年代の若者の物語を観てみてもらえればと思います。当時は学生運動なども行われていましたが、今と昔の違いや、なぜ彼らは闘っていたのかなどにも考えを巡らせてみてください。大人よりもずっとティーンの皆さんのほうが深くリアルに登場人物達の感情を理解できる部分もあるのではないかと思います。 |
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2016.3.15 TEXT by Myson