2014年11月14日より全国公開/PG-12
東宝東和
公式サイト
6歳の少年メイソンが大人になるまでを描いた作品ですが、メイソンの成長に合わせて、ずっと同じメインキャストで12年間かけて撮っているという何とも壮大な映画です。同じ子どもがずっと主役を演じ、家族も同じように年を取っていくので、まるでドキュメンタリー映画のようにリアルです。監督は『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』など“ビフォア”シリーズのリチャード・リンクレイター。さすが、リチャード・リンクレイター監督作とあって、やっぱりセリフが素晴らしい!家族のたわいもない日常を切り取っているだけのシーンでも、ふとした会話のなかに、キャラクターの心のなかで起こっているドラマが描かれ、さすがだなと感心しました。同時にそういう会話劇の素晴らしさを表現する役者たちの手腕も実感。“ビフォア”シリーズほかリンクレイター監督作には多数出演しているイーサン・ホーク、本作で母を演じたパトリシア・アークエットはもちろん、メイソン役のエラー・コルトレーン、リチャード・リンクレイター監督の愛娘で、メイソンの姉サマンサを演じたローレライ・リンクレイターの二人の子役の演技も見事でした。 親子がいろいろな困難をそれぞれの思いで乗り越えて、子どもは親の良い面も悪い面もちゃんと見ながら育ち、そして巣立っていく、そういう家族の歴史を描いた本作は、家族の形がどうであれ、親の愛、子どもの愛は大きいと感じさせてくれる秀作です。そして女子目線では、最後の母親の心情は、将来を考える上でもすごく考えさせられるし、もう子育てが終わった方にも響くと思います。こんな映画はなかなか作れません!必見ですよ。 |
デートで観るのにも良い内容です。6歳の少年メイソンの可愛さ、彼が成長していき経験する甘酸っぱい青春時代の恋愛、そして全編通して描かれる家族愛、見どころはいろいろあるので、どんな世代のカップルにも楽しめます。お子さんがいるご夫婦は子どもの親に対する思いを客観視してみるのも良いと思いますし、結婚を意識しているカップルやこれから子どもを持ちたいと考えるご夫婦で観てもいろいろとシミュレーションできるストーリーになっています。ぜひ大事な人と一緒に観てください。 |
上映時間が2時間45分と長いので、キッズの皆さんは忍耐が必要ですが、ぜひキッズ、ティーンの皆さんにも観て欲しい作品です。ある家族の日常を描いているので、派手な展開はありませんが、家族の出来事としてはドラマチックな展開もあり、飽きずに観られると思います。とても身近に感じられるストーリーで、家族の心のなかをリアルに映しているので、感情移入しやすいと思います。自分の家族について考えるきっかけになる映画です。 |
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2014.10.29 TEXT by Myson