2016年4月1日より全国公開/R-18
コムストック・グループ(配給協力:クロックワークス)
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今作も期待通りに濃厚な作品でしたが、愛によって発せられる温度が感じられるストーリーでした。そこには熱さだけではなく、冷めたさも描かれていて、「愛は素晴らしい」なんて短絡的なストーリーでは終わらせていないところも、ギャスパー・ノエ作品に期待していた通りでした。人間の弱さや浅はかさから生まれる破滅的な人生、愛ゆえに崩壊していく人生は、まさに皮肉そのもの。来日したギャスパー・ノエ監督にインタビューしたときにも「恋愛に陥ると、最高なことと最悪なことが混在しています」と語っていましたが、本当にその通りで、本作はそんな愛にまつわる両側面を映し出しています。 インパクトのある刺激的なラブシーンをわざわざ3Dにした点についても、ギャスパー・ノエ監督らしいなあと思いましたが、監督が3Dにすることで表現しようとした没入感という効果以外に、「ただ、アレを前に飛ばしたかったんだろう(笑)」と思えてしまう遊び心も感じられます。若者のありのままの性とエネルギーは、監督のこだわりと、俳優の度胸と技量が合わさって、映像作品として昇華しています。とにもかくにも、燃え尽きるような恋愛をして、欲望のままに生き、絶望的な現実に直面する若者達の日常に、あなたも没入してみませんか? |
ポスタービジュアルだけ見ても、エロ全開の作品であることはわかると思いますが、ただエロ満載なだけでなく、ちゃんとドラマが描かれていて、平穏なカップルにとっては、不安要素も煽る内容になっています。所詮映画ではありますが、恋愛におけるプラス面、マイナス面を描いており、ネガティブ思考な人が観ると、不安な部分によりフォーカスしてしまう可能性があります。過激な映画でもデートで観られるというカップルについても、内容そのものに油断禁物です。 |
18歳未満の人は観られない作品です。18歳以上のティーンの皆さんは、本作に出てくるメインのキャラクター3人と同じ世代になりますが、まさに今恋愛に夢中になり日常生活にも大きな影響を受けるという経験をしているか、これからするかも知れませんよね。そんな皆さんにとっては、すごく身近な内容だと思うので、何が正しいかなんて答えを見つけなくても良いから、自分なら今をどう生きたいか、今しかできない恋愛はあるのか、ずっと続く恋愛を見つけて守りたいのか、考えてみてもらえればと思います。 |
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■ギャスパー・ノエ監督来日インタビュー
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2016.3.29 TEXT by Myson