2016年7月9日より全国公開
アルバトロス・フィルム
公式サイト
単なるタンゴダンサーのドキュメンタリー映画だと思ったら大違い!男女の生き様が色濃く描かれた見応えある作品でした。本作は、14歳と17歳で出会い、約50年もの間コンビとして踊り、“アルゼンチン・タンゴ”に革命を起こした伝説のタンゴダンサー、マリア・ニエベスとフアン・カルロス・コペスについて描かれています(2016年現在、2人とも80代)。どれだけ相性が良いんだろうと思って観ましたが、なんと2人はその間に恋愛関係になったり、憎しみ合ったりの繰り返しで、1997年にはコンビを解消し、現在も絶縁に近い状態となっています。映画のなかでも、2人は容赦なく怒りを露わにしている場面もありますが、この撮影ができた監督は本当にすごいなと感心してしまいました。 タンゴについての話もありますが、それ以上にアップダウンが激しい2人の人生にすごく胸を打たれました。特に同じ女性としてマリアには共感できるところも多かったです。タンゴに興味のある方はもちろん、人生の大先輩の話を聞いて、自分の人生について考えてみるのも良いと思います。 |
恋愛の楽しいところから辛く悲しいところまでがおもいっきり描かれているので、できれば女子同士か1人で観ることをオススメします。この作品を観ていると、パートナーありきの競技は、本当に相性が大切なんなだと思いました。ただそれが恋愛まで発展しても大丈夫なのか、コンビとしてだけなのかは、人それぞれなのかも知れませんね。タンゴをやっている、もしくはやったことがある人であれば、マリアとフアンの真似るべきところと反面教師にするべきところがよりわかりそうです。 |
キッズは、男女の愛憎劇が描かれているという点にビックリしてしまいそうなので、もう少し大きくなってから観てください。ティーンは、マリアとフアンの話を聞きながら、2人がどうしたらもっと上手くやっていくことができたのか考えてみましょう。また、2人は大きな失敗や挫折も繰り返していますが、タンゴの世界では素晴らしい功績を残しています。「失敗は成功のもと」とはよく言いますが、何事も失敗を恐れずに進んでいくことはとても大切なことです。 |
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2016.6.29 TEXT by Shamy