2018年4月21日より全国公開
松竹
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映画『聲の形』のスタッフによる作品とのことで、興味を持ちました。思春期特有の友達同士の束縛感、依存の強い関係性がとてもリアルに描かれていて、自分もこういう時期を経て大人になったんだなと、学生時代の友達で今も関係が続いている子達との思い出がいろいろ蘇りました。2人の少女の姿を“リズと青い鳥”という物語に重ねて、「いつも一緒でこれからもずっと一緒にいたいけれど、皆どんどん大人になっていくんだ」という現実を突きつける内容ですが、それは寂しいように見えて、実はもっと強い友情に変わっていくという前向きなメッセージでもあり、好感が持てました。依存し合う関係から、個々が自立した上で向き合う関係に変化することで、物理的な束縛が不要になり、離れていても心が繋がっているという感覚が得られるんだなと、観ていてつくづく思いました。あと、手や足など、顔以外の身体の動きにフォーカスシーンが多いのも興味深かったです。たしかに、表情では本心は隠せても、身体が素直に反応してしまうこともあるので、思春期の少女達の細かい心情をこういうところにも見つけるセンスが素晴らしいと思います。 |
男女問わず、思春期の人間関係って、こんな風だろうなとは思いつつ、女子に傾向が強い描写が多いので、デートで観るよりも、それこそこの映画の主人公達のように、親友同士で観に行くほうが良いと思います。とはいえ、画はとても綺麗だし、優しいムードが漂う作品なので、2人とも興味があればデートで観ても良いと思います。 |
キッズやティーンにぜひ観て欲しい内容です。今まさに、本作の主人公、みぞれと希美の関係に近い体験をしている皆さんに、届いて欲しいと思うメッセージが詰まった作品です。主人公だけでなく、周囲のキャラクターも丁寧に描かれていて、誰かしらに感情移入できると思います。友達同士で観に行ったり、親子で観るのもありですよ。 |
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
2018.4.11 TEXT by Myson