2014年3月21日より全国公開/PG-12
ポニーキャニオン、東宝東和
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アフガンの山岳地帯での偵察任務中にタリバン兵に襲われながらも奇跡的に生還した一人の兵士の実話を映画化。4対200超という状況のなか、たった4名で知恵を絞りながら抵抗し続ける海軍特殊部隊ネイビー・シールズの兵士たちの苦難の様子は痛々しく、特に山肌から転げ落ちるシーンは銃撃よりも辛いと思えるくらい痛さがリアルでした。さっきまで基地で仲間たちと冗談を言っていたのが嘘だったかのように、現地に着くとこんなに急に身の危険にさらされるなんて、兵士たちの精神的、肉体的強さは計り知れません。前半はひたすらタリバンとの抗争があり、後半は唯一の生き残りマーカスに起こった奇跡的な状況を描いています。物語の鍵を握るのは、この地域に古くから伝わる【パシュトゥーンワーリ(パシュトゥーンの掟)】。この掟がどうしてマーカスを救うことになったのかはぜひ映画で観て欲しいですが、同じ民族なのにどこでこんなに方向性が変わってしまうのかと不思議に思いました。もちろん親切心もあるでしょうが、何があっても掟を守ろうとする精神はやっぱり敬虔な信者だからこそなのだと考えると、信仰がもたらす影響力を考えさせられたし、だからこそ戦争や紛争になってしまうんだなという皮肉も感じました。 主演はマーク・ウォルバーグ、共演にテイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、エリック・バナなど豪華共演も観られます。ほぼずっと戦闘シーンですがこの緊張感のせいで飽きることなく最後まで観られます。いつもどこかでこういうできごとが起きているという現実を目に焼き付けてください。 |
戦闘シーンがほとんどで、女子向けの作品とは言えませんが、逆に男子には共感しやすいポイントが多くあるので、男子の好みを優先で映画に誘う場合はありでしょう。観ているだけで痛さが伝わってくるほどリアルなので、少々グッタリしますが、後味が悪い映画ではありません。ラブストーリーの要素はないので、気まずくなるようなこともないです。デート向きの映画ではないですが、興味があればデートでも観てみても良いのではないでしょうか。 |
戦闘シーンが多いわりには目を覆うほどむごいシーンは意外にありません。でも、見ての通りキッズ向けではありません。ティーンはチームワークや責任感、身の危険を感じるような状況でも捨てない友情など、学ぶべき点がたくさん見つかると思います。宗教的背景もキーになってくるので、観終わったあとにアフガニスタンの宗教についてなど勉強してみても良いでしょう。 |
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©2013 Universal Pictures
2014.3.18 TEXT by Myson