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Re:LIFE～リライフ～

2015年11月20日より全国公開
キノフィルムズ
公式サイト　

大きな成功と挫折を味わった大人の再起を描いた本作は、若者のサクセス・ストーリーとはひと味違って、人生の意味を深く噛みしめてこそ幸せを感じられる、第2の人生にある成功を物語っています。ハリウッドで一度は成功した脚本家のキースは、その後の作品は鳴かず飛ばずで、周囲からはいつまでも過去のヒット作を称賛されるばかり。そんな彼が金欠を解消するため、大学で教鞭を執るのですが、はじめはその仕事を舐めていて、早くハリウッドで再起をはかろうと考えています。でも、脚本家を目指すいろいろな生徒達と触れあうなかで、改めて自分の“今の自分に必要な幸せ”を見出すのですが、彼の年齢と経験＝これまでの人生を経てある今の彼に合った価値観に変化していくのがわかります。若い頃とはまた違った尺度で得られる幸福というのがみそで、誰かを傷つけてのしあがるようなサクセス・ストーリーではない部分でも、観ていてとても清々しい気持ちになりました。ヒュー・グラントはこういう役柄が本当にピッタリですが、これまた“今のヒュー・グラント”だからこそハマる役柄ですごく良かったです。ほか、脇を固めるマリサ・トメイ、J・K・シモンズなどが演じるキャラクターも味がありつつ主張しすぎずで、主人公の物語をうまく盛り上げてくれています。
大人向けのストーリーですが、若者が観ても、将来についていろいろと学ぶべきものがある作品です。

少しだけロマンスを感じさせる展開はありつつも、エッチなシーンは無く、ストーリーもとても良質なので、どんなカップルにもオススメです。特に仕事人間で野心家、でもうまくいかないという相手を誘うと、少し思考がリセットされて良いのではないでしょうか。幸福とは何かを探るストーリーなので、観終わったあとに意見交換すると、お互いの今の価値観がわかると思います。

人生でいろいろあった上で再起を図る大人のストーリーなので、中学生くらいまではまだピンとこない部分が多いかも知れませんが、将来何になりたいかというイメージが具体的に出てきた人は、主人公の職業と設定は同じでないにしても、将来の成功と挫折の先にあるものは何なのかイメージしながら観ると、少し役に立つでしょう。周囲から観た成功だけが必ずしも自分の成功と合致するわけではありません。それは年齢や経験に寄る部分も大きいというのを本作で少しでも理解できたら、これからいろいろな選択をする上で、視野が広がると思います。

2015.11.9　TEXT by Myson