2014年8月30日より全国公開
松竹株式会社メディア事業部
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本作は、「夏・秋」編と「冬・春」編からなる4部作で、「夏・秋」編が先に劇場公開されます。こういう構成になっていること自体がこれまでにあまりないスタイルですが、作風も変わっていて、たんたんと作物を作りそれを料理して食べるという日常の一コマを切り取ったようなドキュメンタリータッチに近い作りになっています。正直「夏・秋」編ではそれほどドラマチックな展開は起きないので少々じれったくもありますが、終わりの方で何か起こりそうな予感をさせるため、続きは気になります。 そういうわけでストーリーの部分はまだ何とも言えませんが、本作の魅力は「大自然のなかで育てられるおいしい食材」と「その素材を活かした料理」。自然の味を存分に味わっているんだろうなと伝わってくるように、主演の橋本愛が本当においしそうに食べるので、「それ、食べてみたい!」と思うシーンがたくさんあります。主人公のいち子に何が起きて彼女が田舎にいるのかはまだ謎ですが、食べ物を通してだんだんと彼女の心と身体が健康になっていく様子は自然に伝わってきます。なので、これは都会で疲れた女子にはぴったりの映画です。心が疲れている人のほうがこの作品の癒しはリアルにしみじみと感じられるのではないでしょうか。 |
本作はデートで観ても問題ない内容ではありますが、女子が一人でしみじみ観る方が良いように思います。特に大きな出来事も起こらないし4部作のため本作を観てもまだ完結しないので、普段映画を観慣れていない相手を誘うにはあまり適していないでしょう。一人で行くか、母と娘、または女子の友達同士で観に行くことをオススメします。 |
本にたとえると「行間を読む」というタイプの作品で、わかりやすいストーリーではないので、キッズが観てもまだピンと来ないでしょう。ティーンはだんだんと自分の好みがわかり出す時期なので、試しにこういう映画も観てみると良いのではないでしょうか。映画は人それぞれに感じ方が違うからおもしろいとも言えます。こういうタイプの作品は何を表現しているのかを自分なりに想像する練習にもなるでしょう。 |
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■リトル・フォレスト 冬・春
© 「リトル・フォレスト」製作委員会
2014.8.20 TEXT by Myson