2017年8月5日より全国順次公開
サンリス
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パリを舞台に繰り広げられる珍騒動を描く、とってもチャーミングなコメディ映画。製作・監督・脚本・主演を務めたのは、ベルギーやフランスを拠点に道化師として活動するドミニク・アベル&フィオナ・ゴードン。実生活でもカップルである2人は、これまで日本公開もされた『アイスバーグ!』『ルンバ!』といった映画作品で、“ジャック・タチの後継者”と賞賛されているそうですが、控え目なセリフとコミカルな動き、細部まで計算されたおしゃれな画作りなど、たしかにタチのエスプリを色濃く感じました。雪深いカナダの小さな村で冴えない毎日を送る図書館司書フィオナは、ある日、パリに住むおばのマーサから助けを求める手紙を受け取ります。臆病なフィオナが勇気をふり絞ってパリに行くものの、なんとマーサは行方不明。到着早々、セーヌ川に落ちて所持品を失ってしまい、さらに風変わりなホームレスのドムにまでつきまとわれ、フィオナは一体どうなっちゃうのか、そしてマーサはどこにいるのか…!? マーサを演じたのは『愛、アムール』のエマニュエル・リヴァ。今年(2017年)1月に89歳で逝去されましたが、本作ではキュートなコメディエンヌぶりを発揮していて、モーレツに魅力的です。小粋な音楽とダンス、飛び出す絵本のような賑やかさのなかに “老い”や“死”というテーマにも触れ、笑いのなかに漂う切なさが胸に響きます。エリック・サティの名曲「ジムノペディ」をバックに描かれるエッフェル塔のシーンがとてもロマンティックで印象的でした。 |
デートにも、とってもオススメの作品です!クスクス笑いの連続と、小粋な歌やダンスに緊張もほぐれるので、ファーストデートにもぴったり。フィオナとドムが強く惹かれ合っていく姿にキュンとしますが、実際のカップルだと思って観るとなおさら微笑ましいです。 |
ドタバタ・コメディで年齢を問わず楽しめますが、前述したように、“老い”や“死”という深いテーマも描かれていて、大人のほうがより楽しめる作品でしょう。観に行くなら小学校高学年くらいになってからがオススメです。 |
© Courage mon amour-Moteur s'il vous plaît-CG Ciném
2017.8.2 TEXT by min