2018年4月20日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
名作へのオマージュがたくさん詰まっていて、映画ファンにはたまらないシーンが盛りだくさん。アイアン・ジャイアント、メカゴジラ、ガンダムまで出てきて、夢の対戦も繰り広げられるので、とてもワクワクしました。他にも映画『シャイニング』の世界に潜り込むシーンが出てきたり、VRの世界を舞台にしていることを最大限に活かした演出がとてもおもしろかったです。現実と仮想現実の境界が曖昧になるほど、人々の生活のなかでVRが当たり前のものになっている世界は、家から一歩も出なくても、何でも買えたり、人と繋がれる現代のネット社会の将来を描いているようでした。一種の皮肉も込められていると思いますが、現実の人間関係が上手くいかない人にとっては、仮想現実はオアシスである(劇中の仮想現実の世界の名がまさに“オアシス”)という一定の理解も示していて、一つの価値観を押しつけるわけではなく、折衷案を提示している点で、誰にでも受け入れやすい内容になっていると感じました。現実世界では冴えなくてもVRの世界でヒーローになる青年の活躍が招く結末では、生身の人間同士の行動だからこそ得られる喜びを描写していて、怖がらずにリアルな世界でも何でもチャレンジすべきだと教えられた気がします。そして、エンタテインメント性と社会的メッセージが見事に融和させた作品をいくつも世に送り出しているスティーブン・スピルバーグ監督について、手掛けるジャンルの広さも含め、本当に凄いなと改めて思いました。 |
ラブストーリーの要素もありますが、とても初々しくて、気まずいということはなく、どんなカップルが観ても共感しやすいと思います。仮想現実の中で繰り広げられるシーンは、ゲームが好きな人の好みに合いそうですが、そうでない人にとっては最初少し抵抗があるかも。でも、観ていくうちに本作が語ってくるメッセージに気付けば、なぜこの映画がこういう描写になっているのかが納得できると思います。 |
インターネットで便利になった世界が当たり前の、キッズやティーンの皆さんにこそ観て欲しい作品です。前半はVRの世界で繰り広げられるシーンにワクワクできて、まさに皆さんの世代が好む内容。後半では、そういう世界の落とし穴が描かれていますが、説教じみた描写ではないので、すんなり受け入れられると思います。観終わった後にとても清々しい気持ちになれる作品だし、本当の友達の素晴らしさを実感できるはずです。 |
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2018.4.9 TEXT by Myson