小説「火花」で芥川賞作家となった、又吉直樹が書き下ろした初の長編が「凜」。2007年12月に舞台化され、それから10年の時を経て、映画化されたのが本作です。男子高校生の素朴な日常が、ある事件をきっかけにドラマチックなものに変わり、思春期の少年達が仲間に見せる顔とは別に心に抱えているものに苦しみもがく姿、その中で各々に成長していく姿がリアルに描かれています。青春群像劇であると同時に、まだ子どもの彼らの「そんなつもりじゃなかったのに」という些細な行動や言動が、大きな事件に繋がっていくクライマックスはとてもスリリングで、サスペンスとしては、ラストでいろいろな伏線が回収されていきます。お笑い芸人としての又吉のセンスも、ちらほら見えて、緊張と緩和が程よくある点で誰でも観やすい作品となっています。
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デートムービーにカテゴライズされる内容という印象はありませんが、気まずくなるようなシーンはないので、2人とも興味があればデートで観ても問題ないでしょう。ロマンチックな展開はありませんが、推理していく楽しさもあるので、鑑賞後はどれくらいの伏線に気付いたかというトークで盛り上がることもできそうです。 |
「100年に一度、村から子供が消える」という迷信になぞらえて起きた事件をきっかけに、その地域に住む少年達がある意味探検をするストーリーなので、特にキッズ、ティーンの男子の皆さんは共感できるのではないでしょうか。最初は好奇心だけで始めた彼ら独自の“捜査”は徐々に真相に近づいてきて、彼ら自身が巻き込まれてしまいます。そんなハラハラドキドキも体感できますよ。 |