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われらが背きし者

2016年10月21日より全国公開／PG-12
ファントム・フィルム
公式サイト

『裏切りのサーカス』と同じジョン・ル・カレの「われらが背きし者」が原作ということと、ユアン・マクレガー、ステラン・スカルスガルド、ダミアン・ルイスが出演というのが、気になって観ました。ユアン・マクレガーが演じるペリーが、ひょんな事からディマ（ステラン・スカルスガルド）という男に出会い、危険な事態に巻き込まれていくというお話ですが、彼らの関係性の変化が良い意味で期待を裏切る展開で最後まで飽きずに観られました。普通の人間が事件に巻き込まれるというシチュエーションはよくあるので、本作もまさかありきたりな展開になるのではと懸念しましたが、そこはやっぱりジョン・ル・カレの原作だけあって、そんなにチープなわけがありません。本作の主人公の設定がユニークだからこそ、サスペンスでありながら、しっかりと人間ドラマが描かれている点にとても感心しました。かなり渋い映画ではありますが、映画好き女子の皆さんは、お試しあれ。

敢えてデート向きとは言いませんが、デートで観ても問題はないと思います。夫婦のストーリーも描かれているので、自分達がこういうトラブルに巻き込まれたらどうするか考えながら観ると、臨場感が増すかも知れません。ただ、ベースがマフィアものなので、デートのムードが盛り上がるようなシーンは期待しないでください。

PG-12作品で、内容からしても大人向けのクールな映画なので、わざわざキッズが無理して観る作品ではありません。中高生は興味があるなら観ても良いと思いますが、派手な展開で進むタイプというより、人間の内面の変化をじわじわ描くタイプの作品なので、ある程度集中力が保てる人にオススメです。

2016.10.11　TEXT by Myson