2018年7月14日より全国公開
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新体操のスター選手が怪我で下半身麻痺になってしまい、そこからどう立ち直っていくかを描いた本作。才能に恵まれたら幸運だなと思いつつ、何か1本に打ち込んで生きていた人が、その道を急に閉ざされてしまったら、どんなに辛いだろうと想像させられました。自分に置きかえて考えても、好きなことを仕事にできている点が幸運だなと思いつつ、主人公のように急にそれを取り上げられたらどうなるのか想像しただけでゾッとします。もちろん、身体の自由を奪われるという状況の辛さには到底及びませんが、彼女が抱えている痛みがどんなものであるのか、とても丁寧に描かれていたと思います。例えば、とても親切にしてくれる男性がいるけれど、その親切心は彼女の心の穴を埋めることはできません。その意味は彼女のセリフを聞くと、すごく納得するのですが、何かを失うことって、他人が見ているのとは全然違うんですよね。だから、それを克服するためにどうすれば良いのかは、やはり自分自身にしかわからないし、対処できないんだなと思い知らされました。そして、優しい言葉に聞こえるけれど本人には残酷に聞こえている言葉、ぶっらきらぼうだけど優しさのある言葉、それぞれ描かれていた点も印象的でした。と、こんな風に書くと暗い映画に思われるかも知れませんが、彼女と幼馴染みとの交流が希望をもたらし、爽やかな展開に至るのでご安心を。何か上手くいかないことがあって、悶々としている方は勇気づけられる作品です。 |
気まずいシーンもなく、ちょっぴりラブストーリーの要素もあって、デートで観るのにちょうど良い内容だと思います。好きなこと、将来の夢を諦めずに頑張っている人を誘うと、共感できる部分が多いでしょう。怪我が原因でスポーツ選手を引退した経験がある人を誘う場合は、配慮が必要かも知れませんが、内容自体は前向きです。 |
生きていると、いつ何が起きるかわかりません。今は元気に走り回っていても、主人公のように怪我をして、好きなことができなくなることもあります。だからこそ、今できることを一生懸命することは大事なことだし、もし何か起きたとしても自分の考え次第だということも、本作を観て伝わると良いなと思います。 |
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©2018『私の人生なのに』フィルムパートナーズ
2018.7.3 TEXT by Myson