今回は、 突然下半身不随になり選手生命を絶たれた新体操選手の苦悩と再生の物語『私の人生なのに』で、主人公の幼なじみ役を演じた稲葉友さんにインタビューさせて頂きました。以前バンドでボーカルも担当されていて、音楽好きな稲葉さんは、音楽が重要な役割を果たす本作にどんな気持ちで挑んだのでしょうか?
PROFILE
1993年1月12日生まれ、神奈川県出身。2010年、テレビドラマ『クローンベイビー』でデビューし、ドラマ、映画、舞台と幅広く活動。J-WAVEにて放送中の『ALL GOOD FRIDAY』(毎週金曜11:30〜16:00生放送)でパーソナリティを務めている。主なドラマ出演作は『仮面ライダードライブ』、『レンタル救世主』、『ひぐらしのなく頃に』(主演)。舞台は『すべては四月のために』などに出演。映画出演作は『ワンダフルワールドエンド』、“HiGH&LOW”シリーズ、『N.Y.マックスマン』(主演)ほか、2018年冬には、映画『春待つ僕ら』が公開予定。
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マイソン:
今回の役作りはどんな風に進められましたか?
稲葉友さん:
ギターを弾いたり、劇中の歌を監督と作ったりしていくなかで、淳之介というキャラクターがどんどん膨らんで、自分の中で確立していく感覚がありました。
マイソン:
元々ご自身もバンドでボーカルをされていて、音楽好きとお伺いしたんですけど、稲葉さんにとって歌はどんな存在ですか?
稲葉友さん:
人の歌でも自分の歌でも基本楽しいもので、僕の中に根強くあるものです。でも、すごくフラットに、ラフにあるものだなという感じですね。
マイソン:
今回の役では歌のシーンも多かったですよね。
稲葉友さん:
はい、下手で大丈夫って言われて、歌って1発目に下手くそって言われるから、「うわ、助かるー」と思いました(笑)。
マイソン:
いやいやいや(笑)。でも、逆に下手に歌うという設定は難しくなかったですか?
稲葉友さん:
あまり難しく考えるのをやめようと思ったんです。監督も出たもので良いとおっしゃってくださったので。ギターを弾きながら歌うこと自体は難しかったですけど、すごく気楽にやらせてもらいました。
マイソン:
ご自身がボーカルをやってらっしゃった時は、路上で歌うこともありましたか?
稲葉友さん:
路上ライブをやったことはあるんですが、この作品で演じたのとは全然違う感覚でしたね。淳之介が路上ライブをする目的は何だろうって考えた時に、ストリートミュージシャンの方々とはちょっと違うような気もして。
マイソン:
確かにそうですね。あと、「失ったからこそ知ることがある」というテーマが描かれていたと思うんですが、これまでにそう思える経験があったら教えてください。
稲葉友さん:
少なからず皆さん、そういう経験はあるんじゃないかと思います。僕の場合は、この業界に入ることで、ある意味何かを失ってはいると思うんですね。リスクを背負っている部分もあるし、皆さんに顔を知って頂く分、いつでも見られているという意識を持って、普段の言動などもいろいろと配慮しなければいけないと思いますし。でも、その分というかそれ以上に、得たものもあると思います。こういう作品に出会えたことも、この仕事を通していろいろな方に出会えることも、僕にとっては一番大きいですね。
マイソン:
いろんなことをそのまま受け入れてらっしゃるのは、今回の役とどこか通じていますね。
稲葉友さん:
そうですね。きっと淳之介と瑞穂の場合はそれがすごく大きいと思います。僕自身と彼らでは問題の重さは違うと思うんですけど、「先に私達は下半身の自由とサヨナラしただけ」って、瑞穂にかけられる言葉(根岸季衣さんが演じた役のセリフ)を聞いて、そんな感覚だなあってすごく思いました。
マイソン:
私もあのセリフはとても印象に残っています。現実を受け入れつつ、最後はまだ諦めてなかったんだという姿勢も見えて、希望のある前向きなストーリーでしたが、稲葉さんが今後これだけは絶対に挑戦したいと思ってらっしゃることはありますか?
稲葉友さん:
いろいろやりたいことがあって、演劇は一本作りたいです。僕自身の根本的な部分は、演劇にいろいろと作ってもらったところがあるんです。だから、立ち上げの段階から関わったらどうなるんだろうってすごく興味があって、それは挑戦してみたいですね。
マイソン:
その挑戦も楽しみにしています。ありがとうございました!
2018年7月14日より全国公開
監督・脚本:原桂之介
出演:知英/稲葉友/落合モトキ/蜷川みほ/江田友莉亜/深沢敦/野中隆光/飯田孝男/根岸季衣/煖エ洋/赤間麻里子
配給:プレシディオ
新体操のスター選手として活躍していた金城瑞穂は、練習中に脊髄梗塞で倒れ、下半身麻痺となってしまう。競技人生を突然絶たれ、ふさぎ込んでいた瑞穂だったが、そんな彼女の前に幼なじみの柏原淳之介が突然現れる。ストリートミュージシャンとして活動をしている淳之介は、瑞穂に一緒に歌おうと誘い…。
公式サイト 映画批評&デート向き映画判定
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©2018『私の人生なのに』フィルムパートナーズ