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2013年8月31日より全国公開作品 ©2012 年映画『夏の終り』製作委員会 |
『夏の終り』 |
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年上で包容力のある男と、欲情を満たしてくれる年下の男のあいだで揺れる主人公、知子。年上の男には妻がいますが、知子が内縁の妻のような状態で本妻すら彼女の存在を認めているという不思議な関係。一方、年下の男は知子を昔から知っており、お互いに好意を持っている。だったら、状況的には年下の男に絞ればいいのではないかと思いますが、そんなに簡単にはいきません。年上の男が本妻のもとへたまに帰って行く姿を見ては知子は傷付き、年下の男と夜を過ごす…というくり返し。あげくのはてに、男同士も公認状態だから、なお複雑です。全員がお互いを認めてしまったために隠すこともなく別れる必要もないに等しい。ただ、これではいけないと皆思いつつもその状況を打破する手立てを打たずに時は過ぎていきます。 |
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彼らを繋ぎとめているのは、初めは愛だけだったかも知れません。そして、形は変わっても多少なりともずっと愛はあるのだと思います。でも、決して幸せに見えない彼らはなぜこの状況を変えないのか。それは、習慣づいてしまったからなのでしょう。このことは知子のセリフに出てきます。 |
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TEXT by Myson