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『シンプル・シモン』 2014年5月3日より全国順次公開 © 2010 Naive AB, Sonet Film AB, Scenkonst Västernorrland AB, Dagsljus AB, Ljud & Bildmedia AB, All Rights Reserved. |
『シンプル・シモン』 |
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アスペルガー症候群のシモンは、何か起きるとドラム缶に何時間でも閉じこもってしまいますが、そんな時はいつも兄のサムがなだめてくれます。でもそんなサムには恋人フリーダが必要。そうしてシモン、サム、フリーダの3人の生活が始まりますが、シモンの言動を受け入れられないフリーダは家を出てしまいます。恋人に去られ立ち直れないサムはずっとふさぎ込み、優しい兄が心配なシモンは、兄と完璧に好みが合う恋人条件を13項目作り、兄の恋人探しを始めるのですが、兄は“磁石のように、正反対だから人は惹かれ合うんだ”とシモンに話します。 |
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自分が理解するために何でも数字や法則などで置きかえて考えようとするシモンには、人間の男女の恋愛は理解しがたいこと。だからシモンは兄が求める彼女像を勝手に方程式化しますが、最初シモンは、兄と完璧に好みが合う人が最高の恋人になると考えます。シモンは、道行く女子に片っ端から13の質問をぶつけ、兄と好みが合うかどうかを確かめていきます。そうして何人かの候補者をピックアップしますが、サムは全く興味なし。当然、そんな探し方をして見つかるはずはないのですが、これってシモンじゃなくても、意外に多くの人が陥っている思い込みではないでしょうか。条件でパートナーを選ぶ人にとっては使える方法なのかも知れませんが、心から愛せる相手を探すなら項目に当てはまったとしても恋に落ちるかどうかはわかりません。だからこそ、本作の展開も予期せぬ方向へ発展するのですが、それは映画を観て頂くとして、結局サムの「磁石のように正反対だから惹かれ合う」という説も、シモンの「好みが合うから相性が良い」という説も、両方正しいと考えます。 |
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TEXT by Myson