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『家族はつらいよ』 2016年3月12日より全国公開 ©2016「家族はつらいよ」製作委員会 |
『家族はつらいよ』 |
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夫は長らく会社勤めで家族を養い、妻はそんな夫の苦労を知って文句は言わずに長年連れ添ってきたけれど、妻は日々のちょっとしたやりとりでストレスが溜まっていた様子。そして遂に、誕生日を機に妻が反撃。「欲しいものがあったら言え」という夫に、離婚届を見せ、ハンコを押して欲しいと迫ります。突然のことに夫も驚きつつ、どこか本気にしていないというか、受け止められないでいる様子。でも、どうやら妻は離婚した後の生活も段取りしていて…というストーリーです。子ども達からも離婚反対の声が挙がりますが、本当に彼らは離婚すべきなのか、本作でその根本の問題が暴かれます。 |
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「自分はこんなに頑張って仕事をして、家族を養ってきたじゃないか」という夫の言い分ももちろんわかるし、本作の妻もそれはわかっています。だからこそ、長年文句を言わずにガマンして、夫が退職して、もうそろそろ大丈夫と思ったのか、自分の限界がきたのか、離婚を切り出します。理由を聞いてみると、「いつも靴下を裏返しのまま脱ぎっぱなし」など、日々のささいな事から始まり、それの積み重ね。「そんなことくらいで離婚なんて」と思う方もいるかも知れませんが、これにお礼や謝罪の一言があれば、妻も「仕方がないわね」と流すところを、感謝の意すら見えないのが問題なのです。 |
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TEXT by Myson