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『ブルックリン』 2016年7月1日より全国公開 ©2015 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved. |
『ブルックリン』 |
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遠い故郷から離れ、1人でニューヨークにやってきた主人公は、最初は慣れない土地でふさぎこんでいましたが、徐々に友達もでき、その土地に慣れていきます。そして、彼氏ができたことで一層ニューヨークでの生活を楽しめるようになっていきますが、故郷への思いも捨てられず、一時的に帰省した際に、再び故郷で暮らすか、ニューヨークへ戻るかで戸惑います。 |
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主人公はニューヨークで友達や恋人ができたことで、仕事も順調になり、どんどん基盤ができていきます。恋人との関係も深まり、彼の家族とも交流したり、将来のことを話し合ったり、結婚についても具体的に考え始めるほどになります。でも、故郷に母と姉を残してきているので、家族を心配する気持ちはいつもあります。すぐに帰ることができる距離ならまだしも、ニューヨークからアイルランドは遠く、そう簡単に頻繁に帰るのも難しい。事情があって、一度帰省した彼女は、ひょんなことから予定よりも長く故郷に滞在することになりますが、長くいる間にまた故郷での暮らしに惹かれていき、ニューヨークに恋人を残してきたことで、どうしたら良いかわからなくなります。彼女がどういう決断をするかは、映画を観て頂くとして、本作で描かれれる恋愛には、住む土地と恋愛の関係がいかに重要かが見て取れます。将来を共にしようということまで考える恋愛なら、やはりどこで住むことになるのかはとても重要。女は男に合わせることが多いのは、この時代になっても変わりませんが、生きていくには、恋愛だけでなく生活もしなければいけないと考えると、しっかり自分の軸も持たなければ、土地に馴染めなかったときに相手のせいにしてしまいそうです。そうならないように、彼とどこに住むことになっても、その土地で自分の人生を切り開けるかをイメージできるか、またはどんな生活が待っていようと彼のそばにずっといたいと思うくらい好きなのかを、ちゃんと考えないといけないと思います。 |
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TEXT by Myson