『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』来日舞台挨拶:ジェイソン・ブラム(プロデューサー/ブラムハウス創始者・CEO) /ゆりやんレトリィバァ(特別ゲスト)
“パラノーマル・アクティビティ”シリーズ、“インシディアス”シリーズ、“フッテージ”シリーズ、“パージ”シリーズ、『透明人間』『ブラック・フォン』『M3GAN/ミーガン』『エクソシスト/信じる者』などのホラー、スリラーでヒットを飛ばし、『セッション』『ゲット・アウト』といったアカデミー賞を賑わす作品まで手掛けてきたブラムハウスの創始者でCEOのジェイソン・ブラム。そのジェイソン・ブラムが、ブラムハウス史上最大の世界興収を記録している『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』をひっさげて来日しました。
今回初来日となったブラムは、日本に到着してから毎食お寿司を食べているそうで、ずっと来たかった日本にやっと来られたと挨拶しました。そして、「日本独特のおもしろいこととして、日本で最も人気のある、私達が手掛けた作品は『パラノーマル・アクティビティ』なんです。今回、この『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』で記録を塗り替えたいと思います」と付け加えました。
『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』が世界中で大ヒットしている理由を聞かれると、「北米だけではなく、世界中のいろいろな国々でこの作品は成功を収めています。成功には主に2つの理由があると思います。1つ目は、(原作となる)大人気ゲームの原作者スコット・カーソンさんがこの映画の製作のすべての段階に深く携わってくださったということです。ハリウッドでは書籍やゲームを映画化する時にこのような方法で作るのは珍しいことです。通常ハリウッドでは映画化する際に元のクリエイターの方はさておき自分達でいろいろやってしまうのですが、私達は今回、反対のことをやりました。クリエイター、原作者の方を完全に迎え入れたんです。彼は映画のことはご存じないので、彼の頭の中のイメージをうまく実現するために8年という長い時間がかかりました。スコットさんがこの映画はどういう映画になるべきかを熟知されているので、彼の頭の中で描いている映像化されたイメージ、ゲームを作った天才スコットさんのビジョンをスクリーンでお届けできています」とコメントしました。
そして、事前にファンから寄せられた質問に答えてくれました。
Q:影響を受けた日本のゲーム、アニメ、映画があれば教えてください。
ジェイソン・ブラム:実は言ってはいけないことをお話させていただくので、今から私がお話することが翻訳されてアメリカに伝わらないことを祈ります。私はアカデミー賞に関わっているので本来こういうことを申し上げてはいけないのですが、昨年観た映画の中で最も気に入った最高の作品は『ゴジラ-1.0』です。本当に嫉妬するぐらい素晴らしい映画です。
私が大好きな映画にあって、ブラムハウスでも毎回達成しようと思っているのは、物語の心臓部となる、独特な心を打つ、引き込まれる家族のドラマです。『ゴジラ-1.0』はまさに登場人物、男性と女性と小さな子どもの関係性が今まで観たことがないような素晴らしいもので、とても引き込まれる内容になっています。また、ゴジラというキャラクターはもう29本も作られていて、皆さんがよく知っている存在でありながら、本当に信じられないほどとても新しく恐ろしく感じる作品になっています。ハリウッドの感覚からしますと、私が憧れる低予算で作られている作品でもありますし、近々この作品を作った山崎貴監督にもお会いする予定になっています。私の希望としては将来ぜひブラムハウスで作品を作っていただきたいなと思っています。
もう一つ補足させてください。お金というものは創造力の敵となるものです。特に予算が大きければ大きいほどそうなります。アーティストというのは、パラメーターが決まっている状況で制作、創作するとより良いものを作ることが多いんです。たとえば、そのパラメーターが予算だったり、ストーリーであったりするわけです。『ゴジラ-1.0』はもう29本作られているという点で、パラメーターはゴジラなんです。そのようなパラメーターがありながらとても新鮮さを感じて、他とは違う、心が引き込まれる作品となっていて、本当に素晴らしい影響を受けました。
次に、ホラーが大好きなゆりやんレトリィバァが登壇し、自己紹介した後「アンジェリーナ・ジョリーと呼んでください」とギャグを飛ばし、笑いを誘いました。そして、ゆりあんレトリィバァからもさらに質問が投げかけられました。
Q:私は映画を作りたいのですが、大ヒットを飛ばす秘訣を教えてください。
ジェイソン・ブラム:いくつか秘訣があります。まず、私達と仕事をしてくださるなら、お金を使い過ぎないことです。2つ目は、私達と仕事をするなら、映画スターはダメなので、アンジェリーナ・ジョリーさんはダメです。あとは楽しいものを作ることです。私はホラー映画ファンの皆さんが大好きなんです。私自身もそうなんですけど、私達ホラー映画ファンは、あまり真面目に考え過ぎない、真に受けたりしないのが良いと思います。
MC:ちなみにゆりあんレトリィバァさんはどんな映画を作りたいんですか?
ゆりあんレトリィバァ:私が今まで憎しみを抱いた人とか、許さないと思った人を懲らしめるようなホラー映画を撮るのが夢です。
ジェイソン・ブラム:それはアイデア的にまさに“パージ”ですね。(“パージ”の世界では)アメリカでは12時間だったら有罪になかなかならないし、銃がそこらじゅうにあるので。“パージ6”なんてどうでしょう?
ゆりあんレトリィバァ:プリーズ!サンキュー!ワオ!We love Purge!フー!
ジェイソン・ブラム:実際には実現しなかったんですが、非常に病的な思想を持った監督のアイデアで、アメリカで“パージ”を実現させるために外国人にとても高いお金を貸して“パージ”をしてもらうというような企画がありました。
と裏話も飛び出しました。
Q:数々のホラー映画を製作してこられて、ジェイソン・ブラムさんが1番恐れていることは何ですか?
ジェイソン・ブラム:本当の答えを言っていいですか?
ゆりあんレトリィバァ:お願いします。
ジェイソン・ブラム:Trump.
MC:これは訳さなくても通じますね。ちなみに、ゆりあんレトリィバァさんは1番恐れているものは何ですか?
ゆりあんレトリィバァ:この前、キスしただけで虫歯が移るって聞いて、キスすることを恐れています。
ジェイソン・ブラム:それも映画の企画として素晴らしいですね。案が2つ出ましたね、キスと虫歯。
さらに、次回作に出演を願うゆりあんレトリィバァが、[何者かに追いかけられてクローゼットに隠れるけれど、後ろに気配を感じると思って振り返ったらシリアルキラーがいる]という設定の演技を披露しました。写真でご覧ください(笑)。
演技を観たブラムは、「君を雇うよ!『M3GAN2』でミーガンの友達として」と絶賛し、「たぶんね。ミーガンの従姉妹かな(笑)」と匂わせました。
最後に次回作について聞かれたブラムは、「今年は『イマジナリー』という作品が公開されます。そしてその後に『ウルフマン』が今年の後半か年末までには公開予定です。私の妻(ローレン・シューカー)が脚本家で、最近では『ダム・マネー ウォール街を狙え!』を手掛けました。彼女が6年前に『ウルフマン』の草稿を手掛けまして、今ニュージーランドで撮影中です」と話しました。
短い時間のイベントでしたが、いろいろな裏話や今後が楽しみな話題が飛び出しました。勢いが止まらないブラムハウス製作の『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』。ぜひお楽しみください。
『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』来日舞台挨拶:
2024年1月29日取材
PHOTO&TEXT by Myson
『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』
2024年2月9日より全国公開
東宝東和
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情報は2024年1月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。