国内外に多くのファンをもち、鬼才の名をほしいままにしてきた園子温監督が、満を持して製作に取り組んだ初のオリジナル脚本ドラマ『東京ヴァンパイアホテル』。2017年6月16日よりAmazonプライム・ビデオにて全9話一挙配信される本作で主演のK役を務めた夏帆さんと、Kと敵対するコルビン族のヴァンパイア、山田を演じた満島真之介さんにインタビューしました。過酷な撮影に全身全霊で挑みながらも、作品へ参加したことの興奮と充実感に満ち溢れていたお二人。「ちょっと異様だった!」と両者が口を揃える撮影現場の雰囲気や、作品にかけた熱い思いをたっぷりとお届けします!
<PROFILE>
夏帆 1991年、東京都出身。小学5年生のときにスカウトされ芸能界入り。2004年に女優デビュー。2007年には初主演映画『天然コケッコー』で日本アカデミー賞新人賞ほか数々の新人賞を受賞。2008年には『うた魂』『砂時計』と主演映画が立て続けに公開され、若手実力派女優として認知される。2012年には舞台にも進出。主な映画出演作品は『きな子〜見習い警察犬の物語〜』(2010)、『箱入り息子の恋』(2013)、『パズル』(2014)、『海街diary』(2015)、『ピンクとグレー』(2016)、『22年目の告白−私が殺人犯です−』(2017)など。
満島真之介 1989年、沖縄県出身。2010年に舞台『おそるべき親たち』で俳優デビュー。2012年に若松孝二監督の『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』で報知映画賞新人賞、高崎映画祭最優秀男優新人賞などを受賞。以降、映画、テレビ、舞台と幅広く活躍。2013年には飯塚健監督『風俗行ったら人生変わったwww』に主演。2017年映画出演は三池崇史監督『無限の住人』ほか、ロジャー・パルバース監督『STAR SAND -星砂物語-』、中村義洋監督『忍びの国』、是枝裕和監督『三度目の殺人』、黒沢清監督『散歩する侵略者』などが公開予定。
ミン:
3話まで拝見しましたが、序盤からかなりぶっ飛ばしていますね(笑)。
満島真之介さん:
わけのわからないまま始まりますよね(笑)。でも、まだまだ、これからですよ!
夏帆さん:
これからいろいろな人が絡んできて、どんどんおもしろくなっていきますよ!
ミン:
うわぁ、楽しみです!出演オファーを受けたときの率直な気持ちを聞かせていただけますか?
夏帆さん:
私はドラマの『みんな!エスパーだよ!』(テレビ東京/2013年4〜7月放送)で園さんとご一緒させていただいたのですが、自分としてはまた声を掛けていただけて、すごくうれしかったです。
満島真之介さん:
僕は、去年の夏くらいに、園さんから直接「ついに、一緒にやりたい作品がある」と連絡をいただきました。役者になる前に園監督の助監督をやっていたので、出演者として作品に参加できるという驚きと大きな喜びもあって、すごくワクワクしていたし、人生で深く関わった園さんともう一度違う立場でしっかりと一緒に作品を作れるということに強い縁を感じていました。
ミン:
満島さんが助監督をされていたのは、いつ頃ですか?
満島真之介さん:
9年くらい前です。僕が役者になったことを園さんはどう思っているだろうとか、もう一度ちゃんと話をしたかったし、いつかまた仕事で対峙したいとずっと思っていました。
ミン:
今作は、園子音監督初の完全オリジナル脚本にして、園ワールド全開の作品ということで、お二人とも、さらに感慨深いのでは?
夏帆さん:
もう、やるしかない!と思いました。大変だろうけど、絶対におもしろい作品になるだろうという予感がありました。
ミン:
不安やプレッシャーはなかったですか?
夏帆さん:
自分自身への不安はあったけど、作品への不安はなかったですね。フタを開けてみれば、撮影はすごく大変だったけど(笑)、それでも参加できて本当に良かったと思います。
満島真之介さん:
最初に脚本をもらったときは、ベースしかできていない状態だったんですよ。特に夏帆ちゃんの演じるKなんて、どこに行き着くんだろうって感じ(笑)。僕の演じる山田も、不確定要素ばかりだったけど、園さんがやりたい世界は一応イメージできて。園さんに「ここは変えたほうがいいと思う」とか「これだと、ちょっと弱いですねえ」とか意見も素直に言わせてもらいました。園さんも「さらに気合い入った!」と言って書き直してくださったり、役の背景を深く掘り下げてくださったりして、良い相乗効果でスタートできたことは、とてもありがたかったです。
続きを読む>>>>> 1 2:撮影現場のギリギリ感はジェンガレベル!?
2017年6月16日 全9話Amazonプライム・ビデオにて見放題独占配信スタート
総監督・脚本:園子温
出演:夏帆/満島真之介/冨手麻妙/神楽坂恵/安達祐実
22歳の誕生日を迎えるマナミは、謎の吸血鬼達に付け狙われていた。強大な力を持つKは彼女を怒涛の戦いの中で救おうとする。そんななか、若い男女ばかりが“ホテル・レクイエム”に招待される。そこには山田という謎の男と、奇怪な女帝とエリザベート・バートリが住み、ホテルを取り仕切っている。招待された人々はホテル内で山田が主催する全国合コン大会に参加する若い男女。突如、山田が明日世界は滅び、このホテル内にいる人間だけが助かる道が残されていると告げる。ホテルの下には広大な地下空間が広がり、人間はそこで愛を営み、人類を繁栄させ、女帝と山田ら吸血鬼コルビン族から永遠に食らわれ続けるしか存続の道がないのだと…。そこへ、マナミを奪取しようとするKがコルビン族を滅亡させるべく乗り込んでくる。かくして、人類そして吸血鬼たちの存亡をかけた戦いが始まった…。
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