1970年代に人気を博した特撮番組、『シルバー仮面』と『スーパーロボット レッドバロン』を最新の映像技術とビジュアルデザインを駆使してリブートさせた映画『BRAVE STORM ブレイブストーム』。本作でW主演を飾る大東駿介さんと渡部秀さんにインタビューさせていただきました。職人気質ともいえる2人の役作りや、岡部淳也監督の熱すぎるエピソードなど、興味深い撮影秘話をたくさん伺うことができました!
PROFILE
大東駿介
1986年3月13日生まれ。大阪府出身。2005年にオーディションでグランプリを受賞し、雑誌『FINEBOYS』の専属モデルとして芸能活動をスタート。同年に日本テレビ系ドラマ『野ブタ。をプロデュース』で俳優デビュー。以降、数多くの映画、ドラマ、舞台で活躍。主な映画出演作は、『クローズZERO』(2007)、『リアル鬼ごっこ』(2008)、『グッドモーニングショー』(2016)、『望郷』(2017)など。2018年には本広克行監督作品の『曇天に笑う』などが公開待機中。
渡部秀
1991年10月26日生まれ。秋田県出身。2008年に「第21回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で準グランプリを受賞。2010年には『仮面ライダーオーズ/OOO』に主演し、同作の映画版で映画初主演を飾る。NHK連続テレビ小説『純と愛』、ドラマ“科捜研の女”シリーズほか、映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』(2015)、映画『シュウカツ』(2015)などの話題作に出演。特技は、陸上競技全般、サッカー、水泳、柔道というスポーツマン。
ミン:
岡部淳也監督が脚本、編集、プロデュースを兼ね、さらに特撮作品やヒーローものの最高峰のスタッフを集めて製作されたということで、映像の迫力や完成度の高さに驚いたのですが、何よりも岡部監督の熱意がスクリーンからヒシヒシと伝わってくるようでグッときました。お2人も岡部監督の近くにいらして、その“熱”を感じていたのではないでしょうか。
渡部秀さん:
まさに、この作品は岡部監督の熱意に尽きると思います。僕自身は、無邪気に、純粋におもしろいものを作ろうとしている監督の熱さに賛同して「僕でよければ、ぜひ尽力させていただきます!」という思いで参加しました。撮影が始まる前も、監督がこれまでに手掛けられた作品への思いや、本作で目指すべき明確なビジョンを伝えてくださって。そういったところにも、すごく“熱”を感じました。
大東駿介さん:
岡部監督は出会った瞬間から熱かったです。この作品のオファーをいただいたとき、僕は大阪で舞台をやっていたんですが、監督が東京からわざわざ足を運んでくださって。正直、まだ引き受けるかどうかもわからない時点から、シルバー仮面のスーツや、映画の完成図などの資料を目の前にばーっと並べて、それはもう熱心に話されて。
渡部秀さん:
岡部監督の作戦勝ちですね(笑)。
大東駿介さん:
そうそう(笑)。熱意だけじゃなくて、岡部監督の童心とか、遊び心とか、希望とか、そういうキラキラしたものを感じて、「僕のやりたかったことって、本来こういうことかもな」って思ったんです。僕は、本作を岡部監督のおもちゃ箱をひっくり返したような映画だと思っています。もちろん、その裏ではたくさんの大人が動いて莫大なお金もかかって、現実的な問題をいくつもクリアしていたと思うけど、「こういうおもいしろいことをやりたい!」「こう遊んでみたい!」っていう夢に一切の妥協をせずに挑んでいて、その姿勢はとても信頼できました。
ミン:
監督の熱い思い、ステキですね。お2人の役作りについても教えてください。
渡部秀さん:
紅健(くれない・けん)という人間は、ボクサーとしての腕は一流ですけど、ずっとくすぶってきたんです。兄との過去があって、人生にもどこか落胆していて、自分が世界を救うなんて大それたことを考えるタイプじゃない。なのに、ひょんなことで未来人と出会い、突然帰ってきた兄にレッドバロンに乗れと言われて。岡部監督からは、健がそういった出来事のなかで翻弄される姿を表現してほしいと言われました。
ミン:
健の戸惑いや、複雑な感情を処理しきれず葛藤している姿には、どこか共感を覚えました。
渡部秀さん:
この作品に出てくるキャラクターのなかで、健が一番普通の人間なのかなと思います。そんな青年が突然、世界を救う闘いに選ばれてしまう。状況は違っても、誰もが健のように迷いや葛藤を経験することはあると思うんです。
ミン:
これまで、ボクシングのご経験はあったのですか?
渡部秀さん:
いえ、全く無かったです。練習時間も正味3日間くらいでした。ちゃんとボクシングをやっているように見せなくてはいけないので、型やポージングがしっかりできているように意識しました。
ミン:
たった3日で…。なんたるポテンシャルの高さ!
大東駿介さん:
マジで、ポテンシャルが違うという印象でしたよ。ボクシングって、やっていたかどうかは見たらすぐわかると思うし、肉体的にもほぼ裸だから隠しようもないじゃないですか。そばで見ていてすごいなと思いましたね。(渡部さんに向かって)そんなん、3日でようやったな(笑)。
渡部秀さん:
(すごく照れながら)いや、もうそんな、全然です。指導してくださる方が、とてもしっかり丁寧に教えてくださったんです。
ミン:
イケメン同士のそういうやり取り、大好きです(笑)。大東さんは、どのように役に向かわれたのでしょうか。
大東駿介さん:
映画のオファーをいただいて、昔の『シルバー仮面』のことを調べていたら、なかなか痛みを伴う作品だったんですよね。ヒーローだから正しいとか、絶対に勝つとかっていうお約束みたいなものに縛られていないというか。人としての悩みもあれば、敵には敵の言い分もある。そこに魅力を感じました。今回、僕がシルバー仮面に変身するなら、完璧なヒーローではない、生身の人間がスーツを着た姿を演じたいと思ったんです。闘いには痛みも伴うし、何が正しいのか迷いも出る。そういう人間っぽさを意識しました。あとは、時間を移動したり、過去をやり直したりということは、きっと大きな歪みや悲しみも同時に生まれていると思うんです。時間や空間を移動するとは物理的にどういうことなのかを、こういった作品では感情論以上に意識します。ご都合主義にならず、自分のなかでリアリティをもてるよう役に向かうようにしています。
ミン:
シルバー仮面のスーツの着心地はいかがでしたか?
大東駿介さん:
岡部監督が立ち上げた会社、「ブラスト」のチームがスーツを作ったんですけど、もう、とにかく優秀で。岡部さんの遺伝子をしっかり継いでいて、美意識がすごく高いんです。スーツを着るとどうしてもサイズ感が大きくなったりするけど、それは美しくないということで体に馴染むように細かく調整しました。体に馴染んだからって、今度は動きが制限されてしまうのも僕と彼らの美意識に反するんです。スーツの衣装合わせだけで5、6回はやりました。スーツに付く傷だって、どういうことを経てそこに傷ができたのかを一緒に考えました。そういうところに、痛みとか背負ってきたものが出ると思ったから。こだわりがあるから楽しかったし、苦ではなかったです。
続きを読む>>>>> 1 2:お互いのイケメンポイントはどこ?
2017年11月10日より全国順次公開
監督・プロデューサー・脚本・編集:岡部淳也
出演:大東駿介/渡部秀/山本千尋/タモト清嵐/春日光一/壇蜜/松崎悠希/藤田富/泉谷しげる/寺脇康文/吉沢悠
配給:プレシディオ
キルギス星人の侵略により、地球人類のほとんどが滅亡した2050年。極わずかな生存者のなかに、春日5人兄弟がいた。彼らは過去に時間移動し、キルギス星人を地球侵略開始前に抹殺することを計画する。巨大ロボットの設計データを敵から奪取することに成功し、宇宙人探知グラス、サイキック能力、強化スーツ“シルバー”の3つを手にした兄弟達は、2015年へと移動。祖先でもありロボット工学者の紅健一郎(くれない・けんいちろう)へ接触し、巨大ロボット“レッドバロン”の製造を懇願する。ロボット製作に同意するした健一郎だったが、一つだけ条件があった。それは、弟の健がレッドバロンを操縦すること。かくして健は、地球存亡のカギを握る壮絶な戦いに巻き込まれてゆく…。
公式サイト 映画批評&デート向き映画判定
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