今回は、卒業式を迎えた高校生達のリアルな姿を描く『高崎グラフィティ。』のメインキャストの1人、萩原利久さんにインタビューをさせて頂きました。学生時代のお話や、子役時代から今に至るまでの役者としての心境の変化などもお伺いしました。
PROFILE
萩原 利久 (ハギワラ リク)
1999年2月28日生まれ、埼玉県出身。9歳で子役デビュー以降、さまざまな映画やドラマに出演。2015年には『イノセント15』で映画初主演を果たした。最近ではテレビCM【積水ハウス「ひとは帰ってゆく」篇】でも注目を集めている。その他、主な映画出演作は『ちはやふる・上の句/下の句』(2016)、『オケ老人!』(2016)、『3月のライオン』(2017)、『帝一の國』(2017)、『あゝ、荒野』(2017)、『ウィッチ・フウィッチ』(2018/主演)、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2018)などがある。2019年2月には、『あの日のオルガン』、2019年秋には『アイネクライネナハトムジーク』の公開が控えている。
マイソン:
まず本作で演じた優斗について、脚本を読んだ時に持った印象、あと役作りで大変だったのはどんなところでしたか?
萩原利久さん:
実は最初のオーディションの段階では直樹の役を受けていたので、自分に1番近いのも直樹かなって思っていたんですけど、途中で優斗に変わったので、その理由を監督に聞いてみたんです。オーディションの時に、どんな学生だったかと聞かれて、学校生活だけでなく、お仕事も楽しかったから、「学校以外でもこんなに楽しいことがあるし、学校は学校で広く浅く気楽に過ごしてます」みたいな話をしたんですが、そこがすごく優斗のキャラクターとマッチしたと言われました。だから、僕と優斗の共通点は唯一そこかなって思って、その感覚は大事にしていましたね。
マイソン:
そうだったんですね。いろんなキャラクターのセリフから“青春らしいことを本当はしたかった”っていう思いが読み取れたんですが、大人からしたらすごく青春しているように見えても、渦中にいる若者は意外と青春ってピンときていないんだなと思いました。萩原さんは学生時代を振り返って、今思うと“めっちゃ青春だった”と感じる思い出はありますか?まだ青春真っ盛りだと思うんですけど(笑)。
萩原利久さん:
青春…。でも僕、高校時代から青春に憧れてましたね(笑)。何をもって青春というのかわからないですけど、チャリ通(自転車通学)は自分のなかですごく青春感があったので、すごく憧れていて(笑)。海沿いの学校で毎日30分くらい自転車を漕いで、友達と「だるいだるい」と言いながら登校する、みたいのはちょっとやってみたかったです。学校帰りに「今日何する?」「なんかやることねーなー」みたいな会話だったり、何をするわけでもなくただ歩いたりする登下校が一番青春だったりするのかなって思います。その時間には、何とも言えない学生感があったので、結構好きでした。あとは、体育は本当に全力でやっていたので(笑)、僕の中で青春でしたね。
マイソン:
あははは(笑)。特に好きな競技とか、体育の授業とかはありましたか?
萩原利久さん:
男子って、サッカーとかで本当にバカみたいに熱くなるんですよ。チーム分けなんかも本当に残酷だなと思いながら、勝つためのチーム作りに気合い入れちゃうし(笑)。授業なのに部活より熱いんじゃないかってくらいのあのガチ感は好きでした。
マイソン:
男子らしいですね(笑)。本作では高校生がいろいろと悩みを抱えていて、大人になる前にもがいている様子が描かれていました。それぞれのキャラクターが大人にならなきゃいけないって焦りを感じているようにも見えたんですが、萩原さんは子役として9歳から大人に囲まれて、どうしても皆より先に大人にならざるを得なかったと思うんですけど、そういう感覚ってありましたか?
萩原利久さん:
大人か…。でも僕来年で20歳になるんですけど、もうちょっと大人になっていると思ってました(笑)。20歳って世間的にも大人になるわけじゃないですか。だからもっと何か変わってるだろうと思いきや、意外と変わってないんじゃないかなって思います。背が伸びたりと、外見的なものは変わりましたけど、中身は変わってるようで全然変わってないんじゃないかなって感じることのほうが多くて。自分の中ではそれがだいぶ予定外というか、そんな自分に結構驚かされています(笑)。
マイソン:
あははは(笑)。職業として、子役と呼ばれている時期と俳優さんと呼ばれる時期がどなたにでもあると思うんですけど、ご自身でその境界線を感じた時はありますか?
萩原利久さん:
僕の中ではやっぱり、子役の時にいた事務所から、今いる事務所に変わったことで、明確な自分のスイッチ、区切りがありました。そのタイミングで俳優という仕事を意識し始めたので、そこが境界線かも知れないですね。
マイソン:
なるほど。子役の時は、ご自身がやりたいって言ったんですか?
萩原利久さん:
その時は、芸能人に会いたかったんです(笑)。芸能人に会えるなら、本当に何でも良かったんだと思います。周りに自慢したかったんでしょうね、たぶん(笑)。お芝居するとも思ってなかったですし、ただただ芸能人に会いたいというモチベーションが1番でした(笑)。
マイソン:
あははは(笑)。でも、それでなれるのがすごい!
萩原利久さん:
はははは(笑)!本当に何にも考えてなかったですけどね(笑)。
マイソン:
それが逆に良かったのかも知れないですよね。力まずに。
萩原利久さん:
確かに。変に力んでなかったと思います。「今日○○さんに会えた!やばいやばい!!」って、それでいっぱいいっぱいでした(笑)。
マイソン:
子どもらしくて可愛いですね(笑)。でも、「演技っておもしろい」って思った瞬間がどこかであったんですよね?
萩原利久さん:
演技に興味を持ったのは、中学生の時にやった『運命の人』というドラマで、菅田将暉さんと兄弟役をやらせてもらった時です。子役の時は同世代の子と同じ現場になることが多かったので、習い事に通っているような感覚で、お芝居よりも皆で集まってわちゃわちゃするのが楽しかったんですが、この時は周りに大人の役者さんしかいなくて。一役者としてスタッフさんに接されて、すごく緊張していた時に、菅田さんにいろいろと声をかけてもらって緊張をほぐしてもらいました。そこで初めて意識してお芝居の現場を自分で見て、「あ、これがお芝居なんだ」っていうのを感じたことで、お芝居に挑戦してみたいなって思ったんです。
マイソン:
実際に今俳優をやってらっしゃって、俳優をやっていて良かった思うこと、逆に大変だなあと思うことはどんなことですか?
ヘアメイク:Emiy スタイリスト:山下友子(ヤマシタユウコ) 【スタイリング】 シャツ(ジェイフェリー)¥3,990税別 (お問い合わせ:リファクトリィ 03-5524-3725) Tシャツ(リディアル)¥14,000税別 (お問い合わせ:(株)カイタックインターナショナル 03-5722-3684) |
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萩原利久さん:
大変なことだらけです(笑)。現場では、やっぱり難しいこと、苦しいことのほうが圧倒的に多いですし、ないものばかりを自分の中から作り出していかなければいけない。その作業はゴールも正解もなければ、自分でしか導けないものだから、どの作品も毎回難しいなって思います。でも良かったと思うところは、やっている最中は苦しいんですけど、終わってみると「楽しかったなあ」って思えることです。その瞬間が好きなのかなあ。苦しい作業も実は好きだったりするのかなって思います。なかなか体験できないことをたくさんできるし、ずっと続けている方もいらっしゃいますし、常に挑戦し続けられるところが僕は良いなと思っています。
マイソン:
なるほど。では最後に本作のアピールポイントをお願いします。
萩原利久さん:
5人の誰かに共感できるところが必ずあると思います。高校生っていう短くて、でも忘れられない3年間が映画の中にかなり詰まっていると思うので、ぜひそこに惹き込まれて欲しいです。本当に、たくさんの方に観て頂きたいです。
マイソン:
ありがとうございました!
シネマテークたかさき、イオンシネマ高崎にて先行公開中
8月25日より全国順次公開
監督:川島直人
出演:佐藤玲/萩原利久/岡野真也/中島広稀/三河悠冴/佐藤優津季/冨手麻妙/狩野健斗/山元駿/JOY/篠原ゆき子/玄覺悠子/戸田昌宏/奥野瑛太/川瀬陽太/渋川清彦
エレファントハウス
群馬県高崎市を舞台に、5人の男女の高校卒業式後の数日間を描く。家庭問題、恋愛問題、進学問題、就職問題…と、それぞれに悩みを抱えた5人が、ひょんなことから意気投合し、お互いに助け合い、解決しようともがきながら成長していく。
公式サイト 映画批評&デート向き映画判定
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