今回はBiSH、BiS、GANG PARADE、EMPiREなど人気グループが所属する音楽事務所WACKが主催した合宿型合同オーディションで、現役メンバーとして候補生達をサポートした、モモコグミカンパニーさん(BiSH)、パン・ルナリーフィさん(BiS)、ペリ・ウブさん(BiS)、キャン・GP・マイカさん(GANG PARADE)にインタビューをさせて頂きました。アイドルとして活躍する皆さんの熱い思いがすごく伝わってきました。
写真左から:ペリ・ウブさん、パン・ルナリーフィさん、モモコグミカンパニーさん、キャン・GP・マイカさん
WACKオーディションとは?
BiSH、BiS、GANG PARADE、EMPiREが所属する、音楽事務所WACKが毎年3月に恒例で開催している合宿型合同オーディション。今回は2018年3月に長崎県の壱岐島で約1週間に渡って行われ、書類審査と面接試験を通過した24名と、モモコグミカンパニー(BiSH)、ペリ・ウブ(BiS)、パン・ルナリーフィ(BiS)、キャン・GP・マイカ(GANG PARADE)ら現役メンバーも参加した。本オーディションでは、歌、ダンスはもちろん、日々の生活も審査対象となり、最終オーディションを経た後、合格者はWACKに所属し、BiSH、BiS、GANG PARADE、EMPiREなどのいずれかのグループにて活動をスタートさせることができる。
マイソン:
私が学生だった頃、部活はスポ根映画みたいに厳しいのが当たり前だったので、今回のオーディションで候補生の皆さんが毎日坂道を走ったりしているのを観て、体感的にも当時を思い出しました。でも今の時代、根性論は古いと言われているのをよく耳にします。そんななかでこのオーディションはすごいなというか、逆に新鮮に感じました。今はSNSなどを使って自分をアピールして有名になる人もいる一方で、このオーディションはここまできついという点で、皆さんはどう感じていますか?
ペリ・ウブさん:
ここまでしないとっていうのが私はあります。私も最初のWACKのオーディションを受けたんですけど、本当にすごく大事なことをいっぱい学んだんですよ。たった3日間だったんですけど、諦めないってことも学んだし、人生においてすごく大事なことを学べて、それをわかったから今ここにいると思うんです。マラソンも諦めないということが大事だし、デス・ソース入りのカレーを食べたり、必死になれる子が必要だと思うんです。誰でもなれるわけじゃなくて、可愛ければ良いわけじゃないし、どれだけ魂をWACKに捧げることができるかだと思います。それを見つけるために過酷なオーディションが必要だなと思いました。
モモコグミカンパニーさん:
皆最初は大丈夫なんですけど、3日目以降とか後半が辛くても頑張れる子はやっぱり残っていけるというか。そこからが勝負みたいなところもあるなって思うので、これだけのことをやる必要はあったんじゃないかなって思います。
マイソン:
なるほど〜。
キャン・GP・マイカさん:
やっぱり映画にもするし、観て楽しんでもらうっていう目的もあるので、すごくわかりやすくデス・ソースを食べたりしてましたけど、根本は本当に頑張れるか頑張れないかっていうところだと思います。受かったらすごくいっぱい楽しいことがあるけど、それに加えてWACKの中でも競うし、そこから出てももっと大きな世界でも競わないといけないので、ここで頑張れるかどうかを知るのは大切だなって思いました。
パン・ルナリーフィさん:
このWACKの合宿オーディションを受ける子っていろいろな事情を抱えている子が多いんです。合宿中もちょっと話すだけで泣いちゃったり、学校に行ってなかったり、仕事が辛くて辞めてWACKに入りたいって思って来ていたり…。ただ明るいアイドルになることを求めているなら、たぶんWACKは受けていなくて、自分を変えたいっていう思いが皆すごく強くあるんです。人と関わるのが苦手だったりする子が多いんですけど、1週間の合宿で強制的に人と関わるし、辛いことも絶対にやらないといけないから、受かったとしても落ちたとしても、人生における大切なことが絶対に学べると思います。私達もこの映画を観ただけで全部思い出して、また頑張ろうってハッとしたので、キツいけどこの合宿は人生において大切だなって。
一同:
人生において大切だね!
マイソン:
そういう意味でもただのオーディションではないんですね。さきほどお話にも出たんですけど、仲間だけどライバルで、さらに芸能界で他にもライバルがたくさんいるというところで、新しいメンバーが増えるのはどんな気持ちなんですか?
キャン・GP・マイカさん:
GANG PARADEは、メンバー編成が頻繁に変わって、安定している時期がなかなかなかったんですけど、やっぱりオーディションに受かって入ってくるメンバーなので、何かしら魅力があったり、足りないものを足してくれたり、パズルがぴったりハマるんですよ。今回このオーディションで2人合格して新たな武器が増えたからこそ、今できていることもたくさんあるので、グループによって違うとは思うんですけど、GANG PARADE的にはかなりプラスになっています。
モモコグミカンパニーさん(BiSH) |
モモコグミカンパニーさん:
BiSHは、アユニ・Dが入ってきた時にメンバー全員が変わった気がしました。1人入っただけで、本当にBiSHっていう色が変わって、そのくらい人間1人の力ってすごいなって感じました。だから新メンバーが加わるということは人数が増えるだけじゃなくて、それ以上のことだなって。
マイソン:
良い刺激になるんですね。
モモコグミカンパニーさん:
良くなったり、悪くなったりするのは、その人次第だと思うんですけど、例えば5人いて、プラス1人でただ6人になるわけじゃなくて、全部壊されてからまた作り上げるから、マイカちゃんとかすごく大変だろうなって。
キャン・GP・マイカさん:
わかります。誰かが加入してきたことで、今まで意見を言わなかった子が自分から何か提案をするようになったり、今まで誰かに任せていたことをやってみる子が出てきたりっていうのはありましたね。確かに1回全部崩れちゃうんです。前に7人だった時はダンスを角度から何からガッツリ揃えるっていう感じだったんですけど、9人になるとそれも難しくて。最初はそれに寄せようとしていたんですけど、7人の時と9人の時で同じことをやっても違うなって思って、新たにまた考えて個性を活かしたり、プラスなことだらけです。立て直すのはすごく大変なんですけど、学ぶことのほうが多いです。
マイソン:
グループならではの良さですね。ペリ・ウブさんはどうですか?
ペリ・ウブさん(BiS) |
ペリ・ウブさん:
体制が変わって1ヶ月くらいですぐオーディションだったんですけど、もうちょっと今の私達でできることを作ってからが良いなって思いました。でも合宿をやって、皆に愛着が持ててチームで取り組むのが嬉しかったんです。たくさんBiSに名前が呼ばれて、12人になって、「ヤバ!いっぱいだ、嬉しい!」って思いました。2つのグループに分かれたんですけどね。
パン・ルナリーフィさん:
今もずっと合宿みたいな感じだよね。
ペリ・ウブさん:
BiSはずっと合宿しています。
パン・ルナリーフィさん:
今も実質合宿みたいな感じで、誰がどうなるかわからないっていうのは常にあって、「受かったところで満足するな」っていうのは、常日頃言われています。それは本当にそうで、確かに合宿をすごく頑張って受かったのは嬉しいけど、そこからが本番だし辛いこともたくさんあるので、今もBiSは全員がオーディション中なんです。
ペリ・ウブさん:
逆に言えば、これで全員が輝いて皆が最強になったら良いなって。皆が優勝というか合格できたら良いねって。だから頑張ろうって思っています。
キャン・GP・マイカさん(GANG PARADE) |
マイソン:
素敵です。では最後にアイドルになってみて、ここが一番発見だった、想像していなかったって思うことはありますか?
モモコグミカンパニーさん:
やっぱりアイドルもちゃんと人間なんだなって。端から見ていたら違う人種に見えてすごくキラキラ輝いているんですが、アイドルだって普通の人間だからキラキラ見せるために頑張っているし、その中にはちゃんと人間がいるってことがわかったので、私もキラキラできるように頑張ろうって思いました。
マイソン:
この映画ではそういう裏の努力がすごく見えますよね。他の皆さんはどうですか?
キャン・GP・マイカさん:
すごく泣きじゃくったり、震えながらご飯を食べたり、普通のアイドルなら見られたくない姿がこの合宿の様子に映されているんですけど、そういう泥臭いところもすべて観てもらいたいです。
ペリ・ウブさん:
私はアイドルってずっと考えてなきゃいけないんだなって思いました。綺麗なところだけを見せるんじゃなくて、裏で努力している部分とかも見せて、どうやったらアイドルになれるのかをずっと考えて、合宿はそのことの練習みたいなものだったと思うんです。けれど合宿が終わっても、私達はアイドルを続けないといけないし、ずっと輝くためにどうしたら良いか考え続けないといけないのだと、映画を観て改めて気付くことができました。
パン・ルナリーフィさん(BiS) |
マイソン:
確かにずっとですもんね。長いですよね。
パン・ルナリーフィさん:
私はもともとめちゃくちゃアイドルが好きだったんですけど、小さい頃のアイドルのイメージは本当に近所で一番可愛い子しかなれないっていうイメージでした。でも最近はアイドルっていっても枠が広いし、なろうと思えば誰でもアイドルになれてしまう世の中で、特にWACKを受けるのは誰にでもできることです。でもそれをきっかけに、いかに一生懸命になれるかが大切だなって思います。合宿でも実際にBiSになってもそう感じることが多くて、だから私が好きだったアイドルも可愛いだけじゃなくて、アイドルっていうものにめちゃくちゃ人生を賭けて必死になっていたんだろうなって。それは自分がアイドルをやったからこそわかったし、尊いなって思います。
マイソン:
門戸は開かれているけれど、その座を勝ち取るのは本当にわずかで、皆さんの知られざる努力がすごく伝わってくる映画でした。今日はありがとうございました!
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『世界でいちばん悲しいオーディション』
2019年1月11日より全国順次公開
監督:岩淵弘樹
プロデューサー:渡辺淳之介
出演:オーディション候補生/モモコグミカンパニー(BiSH)/パン ・ ルナリーフィ(BiS)/ペリ ・ ウブ(BiS)/キャン・GP・マイカ(GANG PARADE)/BiSH/BiS/GANG PARADE/EMPiRE
配給:松竹メディア事業部
アイドル候補生達が本性をむき出しにして挑んだ、波乱に満ちたオーディションの様子を追ったドキュメンタリー映画。2018年3月に長崎県の離島で行われたWACK主催のアイドルオーディション合宿には、全国から24名の候補生が集まった。彼女達はアイドルになる夢を叶えるべく、歌、ダンス、マラソン、デスソース(激辛調味料)が加えられた食事など、過酷な試練に立ち向かっていく。だが1週間の合宿で、毎晩容赦なく脱落者が告げられていき…。
©WACK.INC